CCA Japan タイマッサージスクール理論講座 
専門用が多く、ちょっと頭の痛くなる解剖学の勉強ですが、タイマッサージに必要なものだけをとりあげた最小限の「タイマッサージのための解剖学」です。
 
 


11時間目

誰でも避けて通りたいのが解剖学の講義です。
それは、難しい専門用語の暗記が中心で、ほとんどタイマッサージの実務に役だたせるまでには至らないからです。
それでも最近になって、セラピストの解剖生理やヨーガの解剖学などと、特定の分野に絞った分かり易い解剖学の本が除々出版され始めて、今後が楽しみです。
ここでは、タイマッサージに関係のないものはなるべく省いて、「タイマッサージの解剖生理学」として従来の解剖学とは違った角度からアプローチしたいと思います。

正直言ってタイマッサージは、分析されていません。
タイの人は分析なんて関心ないと言った方がいいかもしれません。
それは、これからもあまりされないでしょう。

今回は、タイマッサージの実際の施術に関連づけて、それに必要な解剖学の知識をひろってみました。
ホーム
 
理論講座
1時間目
タイマッサージ道
2時間目
癒しの瞑想
3時間目
タイマッサージの歴史
4時間目
タイマッサージの分類
5時間目
四大元素理論とタイ伝統医学の基礎
6時間目
10本の主要エネジーライン
7時間目
行列のできるマッサージ
8時間目
タイマッサージの秘訣と独特のリズム
9時間目
タイマッサージの4ポーズ
10時間目
タイマッサージのテクニックと略語
11時間目
タイマッサージの解剖生理学(1)
12時間目
タイマッサージの解剖生理学(2)
13時間目
タイマッサージの法律
14時間目
タイハーブとタイ伝統医学
15時間目
ルーシーダットンとヴィパッサナー瞑想
16時間目
理論テスト


 
タイマッサージの解剖生理学
朝と夜では身長が2センチメートル低くなる
 
CCAの施術は、体全体をストレッチする「整体ストレッチ」で始めます。
整体ストレッチの目的は、
クライアントの寝くずれた姿勢を、施術しやすい
状態に整えるとともに、お腹まわり、まわりの筋肉をストレッチします。。
背骨を伸ばす効果もあります。
施術の基本は、クライアントに仰向けになってもらって始めます。
クライアントは必ずしも、施術に適した形で仰向けで寝てくれるとは限りません。
腰のインナーマッスルである大腰筋(だいよう筋)が固くなってちぢこまっている人は、腰を伸ばすのが苦手で、少し横に傾いて寝る癖があるかもしれません。
また朝の身長と夜の身長では、成人では2cmちぢこまっています。
先ず、クライアントの寝クズレを、体がリラックスした状態に筋肉をストレッチし、ちぢこまった背骨を伸ばして施術がしやすい状態に調整します。
背骨は、椎骨(ついこつ)が積み重なって緩やかにS字カーブすることで、人の体をささえています。
背骨の構造はセラピストは覚えておかなけらばならない必須事項です。
首部分は5つの頚椎(けいつい)が積み重なっていて記号Cで表します。
頚椎の7番、C7(シー・セブン)は、セラピストの骨指標になるので、覚えておくべきでしょう。
うつむく形で頭を首から前に下げます。
そして、首の付け根の一番出っ張っている骨の位置を触って確認してください。
出っ張っている骨が二つある場合は首を動かしてみて、動く骨が頸椎7番で、動かない骨が胸椎1番です。
胸部分は、12の胸椎(きょうつい)が積み重なっています。
Tの記号であらわします。
肩甲骨の下端をたどると胸椎の7番(T7)、一番下の肋骨(第12肋骨)が頚椎の12番にあたります。
腰の部分は、5つの腰椎(ようつい)が積み重なっています。
腰椎はTの記号であらわします。
骨盤の上端をたどると第4腰椎、L4にあたります。
後、仙椎が1つあるので、上から
朝食は7時
昼食は12時
夕食は5時
夜食が1時
と覚えましょう
体重がかかる活動をしているとき(すわったり、立ったり、運動したり)、この水分・栄養分はふたたび周囲の組織に押しだされて縮んで行きますます。
ですから、夜測った身長と朝測った身長では成人では2~3cmも違うのです。
椎間板の中身が突出して、脊髄の神経を圧迫るするのが脊椎間板ヘルニアです。
背骨は脊髄神経が通っていて、それを椎間板が圧迫する神経痛がヘルニアと言うことです。
治療は、堆間板が神経を圧迫しない状態に調整することです。
もちろんタイマッサージは、治療のマッサージではありませんので治療できませんが、普段からの背骨のストレッチは予防にはなります。
タイマッサージは未病は自然に治療できているのです。
一番ヘルニアになりやすいのは、椎間板ヘルニアになりやすい場所は、腰椎4番~5番です。
次に頚部ですが、胸椎はあまり動かす場所でないので、胸椎ヘルニアはあまりありません。
腰の部分に負担のかかる仕事をしている人は特にストレッチが必要です。
もちろん中腰で荷物を扱う運搬作業員はもちろんですが、デスクワークやドライバーなど、座って前かがみになって作業している人は、思った以上に腰に負担がかかっています。
また立ち仕事で、腰に負担のかかる姿勢になる看護士、販売員、調理師なども日頃からケアが必要です。
整体ストレッチでは、①お腹まわりの筋肉、②腰の後ろ、③腰のインナーマッスルをストレッチします。
最後の腰のインナーマッスルである腸腰筋の
大腰筋は重要な筋肉ですからセラピストは覚えておきたい筋肉です。
イカはのびている
犬や猫は、居眠りから覚めると必ず気持よさそうにストレッチをします。
これは人間も同じですね。
チェンマイ式のタイマッサージは、ストレッチで有名ですが、それは自然が要求する行為とも言えます。
だから「またして欲しい」と思ってしまうのです。
ストレッチの効果としては、
①リラックス効果
柔軟性アップ効果
疲労回復効果
があります。
ストレッチの仕方は、原則としスローで行います。
そして、
気持イイ強さで、その伸びる部位をイシキして、ストレッチと同時にイキを吐くのが効果的です。
注意点は、人の体は十(柔)人十色なので、骨のカタチ(形)、筋肉のカタサ(固さ)、その人のカンジ(感じ)方に十分注意して行う必要があります。
タイマッサージでは、年をとった人のストレッチは禁止しています。
危険ですからね。
でも、老人は若い人より体を動かさないから、ストレッチは必要な分けです。
ゆっくり注意深くしてやれば良いわけですね。
これをしてあげられるセラピストはきっと良いマッサージ師ですね。
タイマッサージの禁避事項は、おおまかな例にすぎません。
文字ずらを守る必要はありません。
オールドメディソンの校長先生のワッサン・チャカン先生に、禁避事項を細かく尋ねる日本人の生徒がいて、「癌などの病気の時はマッサージはしてはいけないのですよね!」と質問したときに、ワッサン先生は静かに「もしあたなが、その人の家族のような愛情があれば、優しくマッサージしてあげないでしょうか?」と逆に質問していました。
タイのタイマッサージでは、クライアントに特に声をかけることはありませんが、日本では、声をかけて、伸ばす部位や、息を吐くタイミングを教えてあげた方が効果的なストレッチができると思います。
足は泣いている
家に帰って、靴を脱いで裸足になると、とても気持イイですね。
そして足裏を手で揉んだりしたら、たまらなく気持イイですね。
足の骨の数は、骨全体の1/4にも及びます。
骨の数が多いと言うことは、関節が多く、フレクシブルに作られていると言うことです。
また、足裏には、普通より分厚い皮膚と、何層もの筋肉のかたまりでできています。
健康な足裏は、アーチ構造になって、①親指のつけ根②小指のつけ根③カカトの前の3点で体重をささえています。
俗に土踏まずと言う空間を作っています。

アーチの役目は、次の3つです。
①クッション機能…地面の衝撃をやわらげて、膝や腰に負担がかからないようにしています。
②バネ機能…カカトから足の指に向かって放射状に伸びている足底筋がゴムのように伸び縮みして歩くための推進力をつけています。
③第2の心臓機能…歩くことで筋肉が収縮して、静脈が心臓に血流を返す助けをしています。
足底筋
心臓は、新鮮な血を動脈を通して体の隅々まで送り、汚れた血をは静脈を通して心臓に帰ります。
体の末端のゴミのたまった血液を心臓に押し返すには大きな力が必要です。

このアーチ構造がバランスを失うと、必要以上に負荷の偏ったところに、タコや魚の目となって現れたりしますが、
①クッション機能が壊れると、衝撃は膝や腰に伝わって、膝痛、腰痛の原因になります。
②バネ機能が壊れると、歩くのが困難で、疲労が激しくなります。
③ポンプ機能が壊れると、血管にゴミがたまり、疲労が蓄積します。

足裏のアーチ構造
足は泣いている
足は蒸れている
このフレクシブルな骨のかたまりのアーチ構造物を、一日のうちの長い時間、わたしたちは靴をはくことで、本来の機能を不自然な状態に強いています。
アーチの機能を封じ、骨を無理な形に押し込め、筋肉を固まらせた状態です。

筋肉が硬くなると、血行が悪くなって、血液にゴミがたまります、そしてさらに筋肉が固まる悪循環を起こします。
また、足は体の中でも発汗をとてもかく場所で、靴の中は蒸された状態で、雑菌が大量に繁殖します。
これが、足が靴の中で臭くなる理由です。
チェンマイのタイマッサージのサロンも、路上マッサージ以外は、最低足だけは、きれいに洗うか、蒸しタオルで拭いて施術をします。
この不自然な状態から、足を自然な状態に完全に回復させるには、靴を脱ぐだけでは無理なようです。
足の裏をもんで固まった筋肉をほぶし、血行を良くして、ゴミと一緒に心臓に押し返したり、縮まった骨の関節をのばしたり、曲げたり、ストレッチして柔軟性を取り戻す必要がありそうです。
親指が足の内側に変形してしまう外反母趾(がいはんぼし)も初期のうちは、マッサージで回復できるようです。
「足底筋膜炎(そくていきんまくえん)」と言うカカトの近くに痛みを起こす病気があります。
セラピストは、必ず知っておくべき医学用語です。
ぜひご自分で調べて確実な知識にしておいてください。
炎症で痛みがある場合は、もちろんそこをマッサージしてはいけません。 
タイマッサージの足へのプレッシャーは、足裏全体を手のひらでパームプレス(PP)して、筋肉を緩めることから始まり、タイマッサージの足裏のツボ6ポイントを親指で押します。
またエネジーライン(カラタリライン)の5ラインを押して行き、足の横のアーチの6ポイントを押します。
足裏の全部で12ポイントのツボは、土踏まずに位置しています。
これらの施術は、親指以外の、足、肘、手根で強く行われることもあります。
足の甲は肉の薄い部分ですので、親指のサークルに限られます。
ストレッチは、足の裏、足の甲、足の指、足首に掛けられます。
足首を細くするには
キュッと締まった細い足首は誰もの憧れですが、足首は体の中でも一番むくみやすいところだそうです。
足首は肉のほとんどない骨格そのものですから、足首がふとっているとしたら、それはむくみが原因です。
むくみは、長時間立ち仕事をしたりして、血流が悪くなり水が溜まる減少です。
看護師さんでむくむ人は1日に片足にコップ一杯分くらいの水が溜まるそうです。(ためしてガッテン)
足首の少し上を指で20~30秒間押さえ、指を離したとき、くぼみ(指のあと)が残れば、むくみがあります。
足首のむくみの解消には血行をよくするしかありません。
タイマッサージでは足首のストレッチは、足のストレッチとセットで行われます
ただし、腎臓、肝臓、心臓、甲状腺の病気原因でむくみが生じる場合もありますので、これはタイマッサージの及ぶところではありません。 
 マッサージとタンブン
タイではお寺の境内などで鳥の入った鳥かごを売っていて、それを買って逃がしてやることでタンブンをします。
タンブンとはこの世に徳を積むと言うことです。
わかりやすく言えば、タンブン1個で、過去の悪行が1個清算できるわけです。
鳥は自然に帰って、のびのびと気持良さそうに大空に舞って行きます。
わたしたちは、足のアプローチで、不自然な体を自然な状態に戻すことは「気持イイ」ことだと学びました。
そしてその手助けとしてマッサージをしてやると更に「たまらなく気持イイ」と言うことも学びました。
マッサージの手法は、次の3つのSにまとめられます。
softening(ソフテニング)…筋肉を柔らかくすることです。
shiatsu(指圧)…ツボを押すことです。
streching(ストレッチング)…関節や筋肉をストレッチすることです。
※ツボを押すことはタイ語で「กดจุด(コッチュッ)」と言います。
按摩・マッサージ・指圧師、鍼師、灸師等に関する法律(あはき法)で、指圧することは医業類似行為として、指圧の国家資格をもっていないとできません。
ですからタイマッサージ師にできるのはタイマッサージのツボを押すコッチュッです。
マッサージは、不自然を自然に戻すタンブンなのです。
ふくらはぎは鼓動する
上半身の血流は「心臓」が担い、下半身の血流は「ふくらはぎ」が担っています。
ふくらはぎが衰えると、血流が悪化し、血栓をつくり、脳梗塞などの原因になります。
人間は2本足で立ったため下半身に溜まった血液を心臓にかえすため、ふくらはぎに「ポンプ機能」を持たせました。
ふくらはぎの筋肉が静脈の血管をもみしだくことで、血液を心臓に戻すことができます。
これお乳搾り作用(ミルキングアクション)と呼びます。
故石川洋一先生は、患者の腕に入れた点滴がスムーズに落ちていかなかった時、ふくらはぎを刺激したら落ちだしたことを偶然に発見。
それ以来、ふくらはぎの重要性に注目し、20年以上ふくらはぎマッサージによる治療を行い、ふくらはぎ健康法を指導していました。
犬にはふくらはぎがありません。
人間がニ本足で立って歩くようになって、それまでの女性のセクシーポイントであった大きなおしりの存在価値がうすれたので、そのおしろのあコピーとして女性の胸が発達したとう言う動物学者おりました。
2本足の人間の心臓のふたんを軽くするためにふくらはぎができたのですね。
ふくらはぎは、「第二の心臓」と呼ばれます。 
 二つの心臓の役割
 
 血液循環のしくみ
 ※ここでは血液の大循環にスポットをあて、肺循環は省略しています。 
 
 故石川洋一先生によると、ふくらはぎをマッサージをするときの観察するポイントは、
①筋肉の固さ
②弾力性
③温度の3点です。
健康な人のふくらはぎは、つきたてのおもちのように温かくて、やわらかく、弾力性に富んでいます。
 
 病気の人のふくらはぎはパンパンに硬く、内部に芯のようなしこりがあったり、ひんやりして冷たかったり、やわらかすぎて弾力がなくなっています。
 ふうらはぎの状態  疑われる病気
熱くて固いふくらはぎ 高血圧
熱くて柔らかいふくらはぎ 急性炎症、カゼ
冷たくて硬いふくらはぎ 冷え症、婦人病、自律神経失調症
冷たくて柔らかいふくらはぎ 糖尿病
冷たくて柔らかく全く弾力性が無いふくらはぎ 腎臓病
熱くて固いふくらはぎ 高血圧
熱くて柔らかいふくらはぎ 急性炎症、カゼ
冷たくて硬いふくらはぎ 冷え症、婦人病、自律神経失調症
冷たくて柔らかいふくらはぎ 糖尿病
冷たくて柔らかく全く弾力性が無いふくらはぎ 腎臓病
 などの疾患が隠れている可能性があると言うことです。
ここでは、ふくらはぎを、内側・裏側・外側に分けて分析しています
内側 肝臓病、冷え性、月経不順、ホルモンの不調、更年期障害、便秘など
裏側 動悸、息切れ、イライラ、不眠、神経痛、腰痛、むくみ、膀胱炎など
外側 頭痛、肩こり、腰痛、めまい、耳なり、肋間神経痛、ひざの痛みなど
タイマッサージでは、ふくらはぎの施術は、様々なテクニックがありますが、特に脚のエネジーラインの施術で、内側のラインの施術はまさにふくらはぎの施術と言えます。
膝は笑う
山登りや激しいスポーツで、極限まで膝に負担をかけてしまうと、膝を支えている太ももの筋肉が柔軟性を失って、膝がカク
カク、プルプルして足に力が入らなくなってきます。
これを「膝が笑う」と言いますが、本当は膝が泣いている状態なのです。
この膝を伸ばす筋肉が、大腿四頭筋(ダイタイシトウキン)と言う太ももの筋肉です。
大腿シトウ筋は、4つの筋肉ですが、腱(ケン)にまとまって、膝の皿(膝蓋骨:シツガイコツ)の上ににくっついて、さらに皿の下側が、スネ骨に止めれています。
この皿は膝の関節から浮いた状態で、腱を摩擦から守っています。
ですから比較的に上下左右に自由に動くようになっています。
片膝には、立って体重の半分、歩行時1.5倍、走って3倍の力がかかっています。
また立って60度、しゃがんで100度、正座して140度に曲がらなけらばなりません。
つまり、①支持性と②可動性の矛盾をかかえている複雑な場所です。
ですから、スポーツや老化によりバランスをくずすと、とても故障を起こしやすいところなのです。
「変形性膝関節症」と言う病名をよく耳にすると思います。
セラピストになるなら必ずおさえておかなければならない病名です。
今の世の中はインターネットで調べれば、簡単に調べれます。
お医者さんになるためには、たくさんの勉強をしなければなりませんが、セラピストはこういう医学用語を少しおさえておくだけで、信頼されるセラピストになることができます。
  タイマッサージでは、膝は圧をかけてはいけないことになっています。
施術としては、お皿を軽くつかんで、上下左右にまわします。
この時、動きにくいということは、大腿シトウ筋が固くなっている可能性があります。
では、次に大腿シトウ筋をゆるめてあげようと発想ができる人は良いセラピストになれます。 
 大腿シトウ筋の皿へのつきギワは、タイマッサージのエネジーラインのポイントが存在するところです。
ここを親指と、人差し指で、ほぐしながら皿をまわすようにすると、まとを得た「気持イイ」施術になります。
 
脚のエネジーラインの施術
 脚下側:内側のエナジーライン1
   
クルブシの丘のふもと)からケイ骨の白岩にそって、
はりついたヒラメ筋のコケを剥がすように上がって行き、ケイ骨の張り出した頭にひっかかる所で終わります。

脛骨(けいこつ)
内果(うちくるぶし)
腓腹筋(ひふくきん)
ヒラメ筋
 脚下側:内側のエナジーライン2
   
 クルブシの丘とアキレス腱の土手の間のから、横内ふっくらとした山の真ん中を進み、ケイ骨の白岩が終わったところで止まります。

脛骨(けいこつ)
腓腹筋(ひふくきん)
ヒラメ筋
アキレス腱
脚下側:内側のエナジーライン3 
   
 アキレス腱の土手の始まりから、ヒフク筋の2つの山の分け道を進み、ヒザ裏の谷の崖っぷちで終わります。

腓腹筋(ひふくきん)
ヒラメ筋
アキレス腱
脚下側:外側のエナジーライン1 
   
 長ボシシン筋の土手と長シシン筋の土手の間から、ケイ骨の白岩のすじを進み、岩が飛び出た場所で終わります。

脛骨(けいこつ)
前脛骨筋(ぜんけいこつきん)
長母趾伸筋(ちょうぼししんきん)
長趾伸筋(ちょうししんきん)
 脚下側:外側のエナジーライン2
   
 クルブシの丘の前から、前ケイ骨筋の山と、長ヒ骨筋の割れ目を進み、ヒ骨の白岩の出っ張りを感じたところで終わります。

腓骨(ひこつ)
前脛骨筋(ぜんけいこつきん)
長腓骨筋(ちょうひこつきん)
脚下側:外側のエネジーライン3
   
クルブシの丘の後ろから、長ヒ骨筋の山とヒラメ筋の山の割れ目をヒ骨の白岩の出っ張りを感じたところで終わります。

腓骨(ひこつ)
長腓骨筋(ちょうひこつきん)
腓腹筋(ひふくきん)
ヒラメ筋
 脚上側:内側のエネジーライン1
   
 膝の山の内角から、大腿チョッ筋の山裾に、ホウコウ筋のあぜ道がクロスしてきたらそのあぜ道を行き、股の切り込みの前で止まります。

上前腸骨棘(じょうぜんちょうこつきょく)
大腿直筋(だいたいちょっきん)
内側広筋(ないそくこうきん)
縫工筋(ほうこうきん)
 脚上側:内側のエネジーライン2
   
膝の山の横のくぼんだ所から、内側こう筋の山裾を行き、地下のマグマの鼓動がドクドクと感じられる地で止まります。
上前腸骨棘(じょうぜんちょうこつきょく)
大腿直筋(だいたいちょっきん)
内側広筋(ないそくこうきん)
縫工筋(ほうこうきん)
大腿動脈・静脈
 
脚上側:内側のエネジーライン3 
   
膝裏の谷の上から、ハムストリングの山が両側に切りたった間を歩き、大デン筋の大きな山の登り口に、ザ骨の白岩が感じられるところで終わります。

内ハムストリング筋
・半腱様筋(はんけんようきん)
・半膜様筋(はんまくようきん)
外ハムストリング筋
・大腿二頭筋短頭(だいたいにとうきんたんとう)
・大腿二頭筋長頭(だいたいにとうきんちょうとう) 
 脚上側:外側のエネジーライン1
 
 膝の山の外側の角から、大腿チョッ筋の山裾を進み、山が上後とう骨きゃくの白岩にくっついた所で止まります。

上後腸骨棘(じょうこうちょうこつきょく)
大腿直筋(だいたいちょっきん)
外側広筋(がいそくこうきん) 
 脚上側:外側のエネジーライン2
   
 腸ケイ靭帯のつり橋の上を、そのゴム状の弾力を確かめながら、大転子の白山を越えると、中デン筋の山の裾野が白山のふもとまで迫った所で終わります。

腸脛靭帯(ちょうけいじんたい)
中臀筋(ちゅうでんきん)
大転子(だいてんし)
 脚上側:外側のエネジーライン3
   
 腸ケイ靭帯のつり橋とハムストリングの土手の間を外側広筋の山裾を進み、大腿骨の石灰岩の固い岩肌を感じながら、リジョウ筋の大きな橋のまん中で立ち止まります。

仙骨(せんこつ)
大腿骨(だいたいこつ)
大転子(だいてんし)
腸脛靭帯(ちょうけいじんたい)
大臀筋(だいでんきん)
中臀筋(ちゅうでんきん)
大腿二頭筋長頭(だいたいにとうきんちょうとう)
外側広筋(がいそくこうきん)
梨状筋(りじょうきん)
マリリンモンローは中臀筋が弱っていた
 
 
 
ヒップのポイント① 
 牛乳を立ち飲みするときに親指と人差し指の付け根がひっかかるところが上前腸骨棘(じょうぜんちょうこつきょく)です。
ココにくっついている大腿筋膜張筋(だいたいきんまくちょうきん)と縫工筋(ほうこうきん)、そしてその少し下の上後腸骨棘(じょうごちょうこつきょく)にくっついている大腿直筋(だいたいちょっきん)は股関節に重要な筋肉です。 この3つの筋肉の付けギワを同時に圧迫して、筋肉を緩めて、股関節の緊張をといてあげます。 
ヒップのポイント② 
日本の指圧の創始者浪越徳治郎さんが、マリリン・モンローが、1954年(昭和29年)に新婚旅行で夫のジョー・ディマジオと来日した際に、マリリン・モンローに指圧をしとことは有名ですが、中臀筋(ちゅうでんきん)を指圧したかどうかは定かではありません。
中臀筋(ちゅうでんきん)は、立っている時に姿勢を保持し、歩くときに骨盤をフラフラさせないようにする役割があります。マリリン・モンローのようにお尻をフリフリして歩く人は中臀筋が弱ってるかもしれません。
長時間立っていると、中臀筋が疲労して、ココを自然にトントンと叩いている人がいます。
骨盤のバランスを整えるところですから、骨盤の歪みや膝痛でこの中臀筋に負担がかかっている場合も多くみられます。
ヒップのポイント③
坐骨神経痛の原因のひとつに、梨状筋(りじょうきん)の緊張によるものがあります。
梨状筋が固くなることによって坐骨神経が圧迫される神経痛やお尻周辺の痛みがでます。
この梨状筋症候群は坐骨神経痛の中で1番多く見られます。
梨状筋症候群は外傷でも起こりますが、ずっと立ちっぱなしなどで仕事をしていたり、過度に筋肉を使用したときもなることがあります。
腰痛との違いは、痛みの性質が「痺れ」や「つっぱり」です。
梨状筋を指圧したりストレッチして緩めてやることが肝心です。
 
   ヒップの3ポイントは、のみこみにくいところなので、授業が停滞するところです。
当スクールのテキストにものせていますが、三角関係で説明するのがタイの古くからの方法です。
一見わかりやすく、わかったつもりにさせて、授業を進ませるには良い手法なのですが、必ずしもまとを得てません。 
やはり、急がば回れで、解剖学的にアナトミカルなアプローチが良いのではないでしょうか。
オールドメディソンの先生が、「大転子のまわりは全部ポイントでーす」と教えてましたが、先生一人で30人も教えるマンモス学校では効率的な教え方が発達するのだろうと思いました。
これはあまりにもですが、この3ポイントの指圧の目的は、ヒップの筋肉を緩めてやることが目的です。 
筋肉の骨への付きギワを押してやることが、一番効率よく筋肉を緩める手法ですが、
ポイントばかりに神経質に拘らず、お尻のコリを緩めることを主眼とすべきだと思います。
押したときの各ポイントの「ひびき」の問題ですが、解剖学的にはポイント①は膝下まで、ポイント②はお尻全体、ポイント③は坐骨神経が足先まで伸びているので、足先までと言うことになると思います。 
タイマッサージとムエタイ 
 
 ラーマ5世~6世の時代のタイマッサージの名師匠は、タイマッサージの師匠であるとともにムエタイの師匠でもありました。
彼は、本来相手の体の急所に打撃を与えるための格闘技のテクニック
を応用し、癒しのためのタイマッサージに技を取り入れました。

【肘】…比較的小さなポイントを強めに圧すことができます。
肘はその構造を理解するとうまく使えるようになります。
肘関節は、肘から上の①上腕骨(じょうわんこつ)、肘から下の②橈骨
(とうこつ)と③尺骨(しゃっこつ)の合計3本の骨の集まりで、 橈骨
は親指側から肘へ、 尺骨は小指側から肘へ向かっている骨です。
肘で圧すというのは、この尺骨の肘側のデッパリの「ちゅう頭突起」で圧すのです。
肘を何となく扱いにくい人は、常に小指を意識して小指につながっているステッキ(棒)で
圧すイメージをもつと良いでしょう。

【膝】…ムエタイで活躍する破壊力のある膝は、タイマッサージではあまりにも強すぎて、
実は膝では圧しません。
ソフトに当ててストレッチの支点にするか、手、腕、肘のコントロールで当てた部分にゆっ
くり「じわーっ」とウエイトをのせます。
使うのはa.膝の「さら」、b.膝下の「じんたい」、c.すね骨の横の「きんにく」です。

【足】…足は4つの部分に分け、足の形状と固さを利用して使います。
①先端部は強く、 ②中央部はソフトで腕や脚の円柱状の部分にスッポリ収まる、 ③カカト部
はとても固くて鋭く、 ④側部は狭く細い形状の部分に適しています。
足をうまく使う方法は、脚が伸びきった状態でなく、膝に遊びがあった状態でくりだした方
が強く、うまくコントロールできます。

職業としてタイマッサージをする人は、セラピストの命である親指を大切
にし、早くから肘・膝・足の技を身につけて、意識的に親指の消耗を避け
るようにしましょう。
親指を使わない技を「サム・フリーテクニック」と呼びます。
サム・フリーテックニックには木槌を使うトークセン、ハーブボールの温
湿布なども含みます。
血止めは一目惚れの味
タイマッサージでは、風門をしばらく閉めて開く施術があります。
これは太股の付け根、腕の付け根の血管の通り道を、手、足、膝などで、しばらく止めてから放すテクニックです。
クライアントはそうすることによって、放されたときに血液が一期に循環して体の中がジーンと熱くなる一種の爽快感を味わいます。
血止めの効果をまとめると
血行改善
精神のリフレッシュ
です。
 
   
心臓の圧力によって押し出された血液は、動脈を通って酸素と栄養を運んで体の末端まで行き、毛細血管を通って、今度は静脈を通って、二酸化炭素と老廃物を運んで心臓に戻ります。
この血液循環システムが正常に働かない場合が血行不良という状態です。
血管や毛細血管などが、老廃物やゴミで詰まったり状態も考えられます。
タイマッサージの血止めによって血管を止めると、流れを止められた血液は行き場を失います。
そして、行き場を失った血液は、行き場を探してあまり使われなかった予備の毛細血管や新たに毛細血管の道を作って流れるようになります。
つまり滞っていた毛細血管もスムーズに血液が流れるようになります。
一方、血液の流れが止まって異常を感じた脳は、血液不足を感じて心臓に大量の血液を送るように指令を発します。
 この時危機感を感じた脳から大量の若返りホルモン(成長ホルモン)が放出されるのだという説もあります。
恋をしている人が綺麗になるホルモンです。
そこで、血管を元の状態に開放されるので、大量の血液が一期にからだの中を駆け回ります。
この勢いで血管に滞りを作っていた老廃物も押し流すと言うわけです。
また、大量の血流が一期に流れることは、ドキドキした時、胸がキューンと締め付けられた時、ジーンと熱いものを感じた時と同じで、一種の爽快感が感じられます。
一瞬で恋に落ちた時のドキドキ感ですね。
血止め箇所は、脚や腕の付け根の他にも、クルブシやお腹などもあります。
血止めは、血管障害、高血圧、心臓病など血液関係の病気の人への施術は禁止されています。
CCAのストレッチテクニック


タイマッサージのための解剖学
ヨガが流行し、ポーズの完成度を追及するあまりケガをする人が増えています。
「ヨーガのための解剖学」Anatomiy for Yoga with Palul GrilleyというDVDを出したポール・グライリーは全米でヨガを指導してきた経験から、解剖学の見地からそのことに警鐘を鳴らしています。
骨の形、骨のつき方、骨の大きさや比率は十人十色で、解剖学のテキストのモデルと同じ人は一人もいないそうです。
ポールは、「伸張」と「圧迫」と言う言葉を用いて、それが筋肉の伸張なら、柔軟性を鍛える余地があるが、それが骨と骨がぶつかりあう圧迫なら、それ以上ストレッチを続けたらはケガをしてしまうと説明しています。
ここでは、タイラー(男)とアイビー(女)のケースを紹介しています。
ブリッジをしていますが、タイラーがアイビーに比べてブリッジが浅いのがわかります。
これはアイビーの腰(腰椎)の柔軟度も少し関係していますが、肝心なのは肩の圧迫である。
アイビーが腕がまっすぐなのに対しタイラーの肘が外に曲がっています。
これは肩の部分の骨がぶつかってしまうためにそれを回避するため肘を外に開いているために起きています。
もしタイラーが腰椎が同じ様に曲げられてもほとんど変わらないはずです。
つまり腕と肩甲骨の構造が、タイラーとアイビーでは違うのです。
つまりタイラーはどんなに練習をつんでもアイビーのようなブリッジは不可能だということ言っています。
ポール・グライリーの言わんとすることを、タイマッサージになぞらえて言ってみると、
体の作りや柔軟性が違うのに、みんな同じポーズにもって行く必要はありません。
誰もが同じだとして、形の完全性を求めるのは無意味です。
肝心なことは、クライアントがどんな感じがするか、気持良いか、気持よくないかということです。
そのクライアントの個々にあった技のバリエーションを追求することがセラピストにとって必要なのです。
タイマッサージのために解剖学を研究する人が出て来て欲しいですね。
 太もも
① 腸腰筋(ちょうようきん)
この筋肉は脚の付け根に付いている筋肉です。
股関節を動かす時に必要な筋肉で、歩く時に太ももを持ち上げる
などの働きをします。
② 大腿四頭筋(だいたいしとうきん)
この筋肉は太ももの前側の筋肉です。
膝関節を伸ばす時に必要な筋肉で、歩く時に膝から下の部分を前
に振り出し、ボールを蹴ったりする時も働きます。 
 
  ③ 大臀筋(だいでんきん)
この筋肉はおしりに付いている筋肉です。
股関節を後ろに曲げる時に必要な筋肉で、歩く時に太ももを後ろ
に引き上げる働きをします。
④ 中臀筋(ちゅうでんきん)
この筋肉はおしりの横に付いている筋肉です。
股関節を横に開く時に必要な筋肉で、歩く時や立っている時の姿
勢を安定させる働きをします。
   ⑤ 大腿二頭筋(だいたいにとうきん)
この筋肉は太ももの後側の筋肉です。
ハムストリングスとも言い、膝関節を曲げる時に必要な筋肉で、
歩く時に膝から下の部分を後ろに引き上げます。
また止まる時に働く筋肉です。
⑥大腿筋膜張筋(だいたいきんまくちょうきん)
 腸脛靭帯(ちょうけいじんたい)
腸腰筋だけだとガニ股歩き、ガニ股走りになりますが、太ももの
横側に付いているこの筋肉と靭帯が真っすぐに調整しています。
腸脛靭帯はマラソンなどで酷使されると、柔軟性がないので炎症
を起こしやすいところです。
ブラインドマッサージの秘密(マッサージの本質) 
世界で初めて視覚障害者用の施設を開いたのは、杉山和一と言う人で、1682年に鍼・あん摩の学校を開きました。
杉山和一は、武家に生まれてきましたが、幼い頃に失明し、盲人鍼医に弟子入りしますが、のろまで、不器用で、物覚えが悪く破門されてしまいます。
絶望の内に、江の島弁財天で断食修行を行い、その帰り道で石につまずき松葉の入った竹筒を拾いました。これをヒントに管に鍼を入れて打つ管鍼法を考案しました。
これが日本では主流の鍼の打ち方となります。
目の不自由な人でも容易で、痛みが無い特徴があります。
日本で視覚障害者の方に鍼灸・マッサージ師が多いのはこういう理由です。
タイでもブラインド(視覚障害者)マッサージが普及していて、CCAの先生たちも放課後マッサージによく行きます。
ブラインドマッサージが良く効くことを知っているからです。
ブラインドマッサージはツボやラインを強く圧すマッサージで、これは目が見えている人が圧すよりもむしろ正確です。
なぜ目が不自由な人が、ツボやラインを正確に圧せるのかと考えてみると、それ
はツボやラインには「指でさぐれる特徴がある」と言うことです。
それはツボやラインは目ではなく、指で覚えることの本質に気づかせてくれます。
ツボやラインは、指で触るとペコペコしたくぼみやグリグリしたスジです。
具体的には、 ①骨と筋肉の付きギワ②筋肉の割れ目③筋肉と筋肉の間④血管の上
⑤神経の上であることが多いようです。
そして、シンプルに固く強張った筋肉を揉みほぐす、ただそれだけです。 
日本の鍼灸マッサージ師の国家資格は第一義的には、視覚障害者の職業の保護にあります。
これを表面上のマッサージの定義を侃々諤々と議論しあっているので負のループです。
タイの場合は、ブラインドマッサージは、ヒーリングのため、一般のタイマッサージはリラクゼーションのためと、問題なく共存しています。
今回CCAの先生がたが通う盲目のマッサージの先生をアップしようと思いましたが、最近ホットなシンチャイ先生のようになってしまうと、先生方がその施術を受けられなくなってしまうと、懇願されて控えました。
日本人と違って、タイの人は良い情報は秘密にします。
代わりカミングアウトしてまったスーパースターシンチャイ先生の動画をあげておきます。
腕にしている時計が印象的です。
シンチャイ先生は、もう70歳近いお歳ですが、日々カリスマ殺しの情報が増幅・増殖して、日本より続々と生徒が来られるので、朝から晩まで教えたり、施術したり、日増しにヤツれて行く感じが…。
その代わり奥さんが、日増しに金ピカになって行くのが可愛いです。
「うーんソフトなヒジの使い方は絶妙ですよね。
でも、指がちゃんと使えるようになってから行きましょうね。 
 
 
 
 
12時間目
タイマッサージの解剖生理学(2)