ふくらはぎは鼓動する |
上半身の血流は「心臓」が担い、下半身の血流は「ふくらはぎ」が担っています。
ふくらはぎが衰えると、血流が悪化し、血栓をつくり、脳梗塞などの原因になります。
人間は2本足で立ったため下半身に溜まった血液を心臓にかえすため、ふくらはぎに「ポンプ機能」を持たせました。
ふくらはぎの筋肉が静脈の血管をもみしだくことで、血液を心臓に戻すことができます。
これお乳搾り作用(ミルキングアクション)と呼びます。
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故石川洋一先生は、患者の腕に入れた点滴がスムーズに落ちていかなかった時、ふくらはぎを刺激したら落ちだしたことを偶然に発見。
それ以来、ふくらはぎの重要性に注目し、20年以上ふくらはぎマッサージによる治療を行い、ふくらはぎ健康法を指導していました。 |
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犬にはふくらはぎがありません。
人間がニ本足で立って歩くようになって、それまでの女性のセクシーポイントであった大きなおしりの存在価値がうすれたので、そのおしろのあコピーとして女性の胸が発達したとう言う動物学者おりました。
2本足の人間の心臓のふたんを軽くするためにふくらはぎができたのですね。
ふくらはぎは、「第二の心臓」と呼ばれます。 |
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二つの心臓の役割 |
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血液循環のしくみ |
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※ここでは血液の大循環にスポットをあて、肺循環は省略しています。 |
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故石川洋一先生によると、ふくらはぎをマッサージをするときの観察するポイントは、
①筋肉の固さ
②弾力性
③温度の3点です。
健康な人のふくらはぎは、つきたてのおもちのように温かくて、やわらかく、弾力性に富んでいます。
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病気の人のふくらはぎはパンパンに硬く、内部に芯のようなしこりがあったり、ひんやりして冷たかったり、やわらかすぎて弾力がなくなっています。 |
ふうらはぎの状態 |
疑われる病気 |
熱くて固いふくらはぎ |
高血圧 |
熱くて柔らかいふくらはぎ |
急性炎症、カゼ |
冷たくて硬いふくらはぎ |
冷え症、婦人病、自律神経失調症 |
冷たくて柔らかいふくらはぎ |
糖尿病 |
冷たくて柔らかく全く弾力性が無いふくらはぎ |
腎臓病 |
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熱くて固いふくらはぎ |
高血圧 |
熱くて柔らかいふくらはぎ |
急性炎症、カゼ |
冷たくて硬いふくらはぎ |
冷え症、婦人病、自律神経失調症 |
冷たくて柔らかいふくらはぎ |
糖尿病 |
冷たくて柔らかく全く弾力性が無いふくらはぎ |
腎臓病 |
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などの疾患が隠れている可能性があると言うことです。
ここでは、ふくらはぎを、内側・裏側・外側に分けて分析しています。 |
内側 |
肝臓病、冷え性、月経不順、ホルモンの不調、更年期障害、便秘など |
裏側 |
動悸、息切れ、イライラ、不眠、神経痛、腰痛、むくみ、膀胱炎など |
外側 |
頭痛、肩こり、腰痛、めまい、耳なり、肋間神経痛、ひざの痛みなど |
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タイマッサージでは、ふくらはぎの施術は、様々なテクニックがありますが、特に脚のエネジーラインの施術で、内側のラインの施術はまさにふくらはぎの施術と言えます。 |
膝は笑う |
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山登りや激しいスポーツで、極限まで膝に負担をかけてしまうと、膝を支えている太ももの筋肉が柔軟性を失って、膝がカク |
カク、プルプルして足に力が入らなくなってきます。
これを「膝が笑う」と言いますが、本当は膝が泣いている状態なのです。
この膝を伸ばす筋肉が、大腿四頭筋(ダイタイシトウキン)と言う太ももの筋肉です。
大腿シトウ筋は、4つの筋肉ですが、腱(ケン)にまとまって、膝の皿(膝蓋骨:シツガイコツ)の上ににくっついて、さらに皿の下側が、スネ骨に止めれています。
この皿は膝の関節から浮いた状態で、腱を摩擦から守っています。
ですから比較的に上下左右に自由に動くようになっています。 |
片膝には、立って体重の半分、歩行時1.5倍、走って3倍の力がかかっています。
また立って60度、しゃがんで100度、正座して140度に曲がらなけらばなりません。
つまり、①支持性と②可動性の矛盾をかかえている複雑な場所です。
ですから、スポーツや老化によりバランスをくずすと、とても故障を起こしやすいところなのです。
「変形性膝関節症」と言う病名をよく耳にすると思います。
セラピストになるなら必ずおさえておかなければならない病名です。
今の世の中はインターネットで調べれば、簡単に調べれます。
お医者さんになるためには、たくさんの勉強をしなければなりませんが、セラピストはこういう医学用語を少しおさえておくだけで、信頼されるセラピストになることができます。 |
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タイマッサージでは、膝は圧をかけてはいけないことになっています。
施術としては、お皿を軽くつかんで、上下左右にまわします。
この時、動きにくいということは、大腿シトウ筋が固くなっている可能性があります。
では、次に大腿シトウ筋をゆるめてあげようと発想ができる人は良いセラピストになれます。 大腿シトウ筋の皿へのつきギワは、タイマッサージのエネジーラインのポイントが存在するところです。
ここを親指と、人差し指で、ほぐしながら皿をまわすようにすると、まとを得た「気持イイ」施術になります。
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脚のエネジーラインの施術 |
脚下側:内側のエナジーライン1 |
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クルブシの丘のふもと)からケイ骨の白岩にそって、
はりついたヒラメ筋のコケを剥がすように上がって行き、ケイ骨の張り出した頭にひっかかる所で終わります。
脛骨(けいこつ)
内果(うちくるぶし)
腓腹筋(ひふくきん)
ヒラメ筋 |
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脚下側:内側のエナジーライン2 |
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クルブシの丘とアキレス腱の土手の間のから、横内ふっくらとした山の真ん中を進み、ケイ骨の白岩が終わったところで止まります。
脛骨(けいこつ)
腓腹筋(ひふくきん)
ヒラメ筋
アキレス腱 |
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脚下側:内側のエナジーライン3 |
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アキレス腱の土手の始まりから、ヒフク筋の2つの山の分け道を進み、ヒザ裏の谷の崖っぷちで終わります。
腓腹筋(ひふくきん)
ヒラメ筋
アキレス腱 |
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脚下側:外側のエナジーライン1 |
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長ボシシン筋の土手と長シシン筋の土手の間から、ケイ骨の白岩のすじを進み、岩が飛び出た場所で終わります。
脛骨(けいこつ)
前脛骨筋(ぜんけいこつきん)
長母趾伸筋(ちょうぼししんきん)
長趾伸筋(ちょうししんきん) |
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脚下側:外側のエナジーライン2 |
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クルブシの丘の前から、前ケイ骨筋の山と、長ヒ骨筋の割れ目を進み、ヒ骨の白岩の出っ張りを感じたところで終わります。
腓骨(ひこつ)
前脛骨筋(ぜんけいこつきん)
長腓骨筋(ちょうひこつきん) |
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脚下側:外側のエネジーライン3 |
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クルブシの丘の後ろから、長ヒ骨筋の山とヒラメ筋の山の割れ目をヒ骨の白岩の出っ張りを感じたところで終わります。
腓骨(ひこつ)
長腓骨筋(ちょうひこつきん)
腓腹筋(ひふくきん)
ヒラメ筋 |
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脚上側:内側のエネジーライン1 |
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膝の山の内角から、大腿チョッ筋の山裾に、ホウコウ筋のあぜ道がクロスしてきたらそのあぜ道を行き、股の切り込みの前で止まります。
上前腸骨棘(じょうぜんちょうこつきょく)
大腿直筋(だいたいちょっきん)
内側広筋(ないそくこうきん)
縫工筋(ほうこうきん) |
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脚上側:内側のエネジーライン2 |
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膝の山の横のくぼんだ所から、内側こう筋の山裾を行き、地下のマグマの鼓動がドクドクと感じられる地で止まります。
上前腸骨棘(じょうぜんちょうこつきょく)
大腿直筋(だいたいちょっきん)
内側広筋(ないそくこうきん)
縫工筋(ほうこうきん)
大腿動脈・静脈 |
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脚上側:内側のエネジーライン3 |
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膝裏の谷の上から、ハムストリングの山が両側に切りたった間を歩き、大デン筋の大きな山の登り口に、ザ骨の白岩が感じられるところで終わります。
内ハムストリング筋
・半腱様筋(はんけんようきん)
・半膜様筋(はんまくようきん)
外ハムストリング筋
・大腿二頭筋短頭(だいたいにとうきんたんとう)
・大腿二頭筋長頭(だいたいにとうきんちょうとう) |
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脚上側:外側のエネジーライン1 |
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膝の山の外側の角から、大腿チョッ筋の山裾を進み、山が上後とう骨きゃくの白岩にくっついた所で止まります。
上後腸骨棘(じょうこうちょうこつきょく)
大腿直筋(だいたいちょっきん)
外側広筋(がいそくこうきん) |
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脚上側:外側のエネジーライン2 |
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腸ケイ靭帯のつり橋の上を、そのゴム状の弾力を確かめながら、大転子の白山を越えると、中デン筋の山の裾野が白山のふもとまで迫った所で終わります。
腸脛靭帯(ちょうけいじんたい)
中臀筋(ちゅうでんきん)
大転子(だいてんし) |
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脚上側:外側のエネジーライン3 |
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腸ケイ靭帯のつり橋とハムストリングの土手の間を外側広筋の山裾を進み、大腿骨の石灰岩の固い岩肌を感じながら、リジョウ筋の大きな橋のまん中で立ち止まります。
仙骨(せんこつ)
大腿骨(だいたいこつ)
大転子(だいてんし)
腸脛靭帯(ちょうけいじんたい)
大臀筋(だいでんきん)
中臀筋(ちゅうでんきん)
大腿二頭筋長頭(だいたいにとうきんちょうとう)
外側広筋(がいそくこうきん)
梨状筋(りじょうきん) |
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マリリンモンローは中臀筋が弱っていた |
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ヒップのポイント① |
牛乳を立ち飲みするときに親指と人差し指の付け根がひっかかるところが上前腸骨棘(じょうぜんちょうこつきょく)です。 |
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ココにくっついている大腿筋膜張筋(だいたいきんまくちょうきん)と縫工筋(ほうこうきん)、そしてその少し下の上後腸骨棘(じょうごちょうこつきょく)にくっついている大腿直筋(だいたいちょっきん)は股関節に重要な筋肉です。 この3つの筋肉の付けギワを同時に圧迫して、筋肉を緩めて、股関節の緊張をといてあげます。 |
ヒップのポイント② |
日本の指圧の創始者浪越徳治郎さんが、マリリン・モンローが、1954年(昭和29年)に新婚旅行で夫のジョー・ディマジオと来日した際に、マリリン・モンローに指圧をしとことは有名ですが、中臀筋(ちゅうでんきん)を指圧したかどうかは定かではありません。 |
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中臀筋(ちゅうでんきん)は、立っている時に姿勢を保持し、歩くときに骨盤をフラフラさせないようにする役割があります。マリリン・モンローのようにお尻をフリフリして歩く人は中臀筋が弱ってるかもしれません。
長時間立っていると、中臀筋が疲労して、ココを自然にトントンと叩いている人がいます。
骨盤のバランスを整えるところですから、骨盤の歪みや膝痛でこの中臀筋に負担がかかっている場合も多くみられます。 |
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ヒップのポイント③ |
坐骨神経痛の原因のひとつに、梨状筋(りじょうきん)の緊張によるものがあります。
梨状筋が固くなることによって坐骨神経が圧迫される神経痛やお尻周辺の痛みがでます。
この梨状筋症候群は坐骨神経痛の中で1番多く見られます。
梨状筋症候群は外傷でも起こりますが、ずっと立ちっぱなしなどで仕事をしていたり、過度に筋肉を使用したときもなることがあります。
腰痛との違いは、痛みの性質が「痺れ」や「つっぱり」です。
梨状筋を指圧したりストレッチして緩めてやることが肝心です。 |
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ヒップの3ポイントは、のみこみにくいところなので、授業が停滞するところです。
当スクールのテキストにものせていますが、三角関係で説明するのがタイの古くからの方法です。
一見わかりやすく、わかったつもりにさせて、授業を進ませるには良い手法なのですが、必ずしもまとを得てません。 やはり、急がば回れで、解剖学的にアナトミカルなアプローチが良いのではないでしょうか。
オールドメディソンの先生が、「大転子のまわりは全部ポイントでーす」と教えてましたが、先生一人で30人も教えるマンモス学校では効率的な教え方が発達するのだろうと思いました。
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これはあまりにもですが、この3ポイントの指圧の目的は、ヒップの筋肉を緩めてやることが目的です。
筋肉の骨への付きギワを押してやることが、一番効率よく筋肉を緩める手法ですが、ポイントばかりに神経質に拘らず、お尻のコリを緩めることを主眼とすべきだと思います。
押したときの各ポイントの「ひびき」の問題ですが、解剖学的にはポイント①は膝下まで、ポイント②はお尻全体、ポイント③は坐骨神経が足先まで伸びているので、足先までと言うことになると思います。 |
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タイマッサージとムエタイ |
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ラーマ5世~6世の時代のタイマッサージの名師匠は、タイマッサージの師匠であるとともにムエタイの師匠でもありました。
彼は、本来相手の体の急所に打撃を与えるための格闘技のテクニック
を応用し、癒しのためのタイマッサージに技を取り入れました。
【肘】…比較的小さなポイントを強めに圧すことができます。
肘はその構造を理解するとうまく使えるようになります。
肘関節は、肘から上の①上腕骨(じょうわんこつ)、肘から下の②橈骨
(とうこつ)と③尺骨(しゃっこつ)の合計3本の骨の集まりで、 橈骨
は親指側から肘へ、 尺骨は小指側から肘へ向かっている骨です。
肘で圧すというのは、この尺骨の肘側のデッパリの「ちゅう頭突起」で圧すのです。
肘を何となく扱いにくい人は、常に小指を意識して小指につながっているステッキ(棒)で
圧すイメージをもつと良いでしょう。
【膝】…ムエタイで活躍する破壊力のある膝は、タイマッサージではあまりにも強すぎて、
実は膝では圧しません。
ソフトに当ててストレッチの支点にするか、手、腕、肘のコントロールで当てた部分にゆっ
くり「じわーっ」とウエイトをのせます。
使うのはa.膝の「さら」、b.膝下の「じんたい」、c.すね骨の横の「きんにく」です。
【足】…足は4つの部分に分け、足の形状と固さを利用して使います。
①先端部は強く、 ②中央部はソフトで腕や脚の円柱状の部分にスッポリ収まる、 ③カカト部
はとても固くて鋭く、 ④側部は狭く細い形状の部分に適しています。
足をうまく使う方法は、脚が伸びきった状態でなく、膝に遊びがあった状態でくりだした方
が強く、うまくコントロールできます。
職業としてタイマッサージをする人は、セラピストの命である親指を大切
にし、早くから肘・膝・足の技を身につけて、意識的に親指の消耗を避け
るようにしましょう。
親指を使わない技を「サム・フリーテクニック」と呼びます。
サム・フリーテックニックには木槌を使うトークセン、ハーブボールの温
湿布なども含みます。 |
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血止めは一目惚れの味 |
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タイマッサージでは、風門をしばらく閉めて開く施術があります。
これは太股の付け根、腕の付け根の血管の通り道を、手、足、膝などで、しばらく止めてから放すテクニックです。
クライアントはそうすることによって、放されたときに血液が一期に循環して体の中がジーンと熱くなる一種の爽快感を味わいます。
血止めの効果をまとめると
①血行改善
②精神のリフレッシュ
です。 |
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心臓の圧力によって押し出された血液は、動脈を通って酸素と栄養を運んで体の末端まで行き、毛細血管を通って、今度は静脈を通って、二酸化炭素と老廃物を運んで心臓に戻ります。 |
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この血液循環システムが正常に働かない場合が血行不良という状態です。
血管や毛細血管などが、老廃物やゴミで詰まったり状態も考えられます。
タイマッサージの血止めによって血管を止めると、流れを止められた血液は行き場を失います。
そして、行き場を失った血液は、行き場を探してあまり使われなかった予備の毛細血管や新たに毛細血管の道を作って流れるようになります。
つまり滞っていた毛細血管もスムーズに血液が流れるようになります。
一方、血液の流れが止まって異常を感じた脳は、血液不足を感じて心臓に大量の血液を送るように指令を発します。 |
この時危機感を感じた脳から大量の若返りホルモン(成長ホルモン)が放出されるのだという説もあります。
恋をしている人が綺麗になるホルモンです。 |
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そこで、血管を元の状態に開放されるので、大量の血液が一期にからだの中を駆け回ります。
この勢いで血管に滞りを作っていた老廃物も押し流すと言うわけです。
また、大量の血流が一期に流れることは、ドキドキした時、胸がキューンと締め付けられた時、ジーンと熱いものを感じた時と同じで、一種の爽快感が感じられます。
一瞬で恋に落ちた時のドキドキ感ですね。
血止め箇所は、脚や腕の付け根の他にも、クルブシやお腹などもあります。
血止めは、血管障害、高血圧、心臓病など血液関係の病気の人への施術は禁止されています。 |
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CCAのストレッチテクニック |
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