タイマッサージスクール無料講座。チェンマイにあるタイ国文部省公認のチェンマイクラシックアートタイマッサージスクール(CCA)の無料オープン講座ですタイ伝統医学の基本となっている四大元素理論と、病因論の説明です。


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タイでは、ラーマ5世(1886-1910年)頃から近代医療が流入し始め、次第にタイ伝統医学は迷信的、非科学的なものとして影をひそめていく。
1889年にシリラート病院が設立され、近代的医療と伝統的医療の両方を教え始めるが、1915年いは伝統医療的なものの教育が廃止され、1936年に「医療行為管理法」で、近代医療と伝統医療は完全に区別され、タイ伝統医学関係者は公的な場から去っていった。

その地域の伝統医療を排除するのではなく、むしろ予防医療として積極的にとりこもうとする動きは、WHOなどの国際機関を中心に、グローバルな流れの中で促進されてくるが、タイの場合、タイ伝統医学の復興の中心なったのは、皮肉にも近代医療の医師たちでした。
1982年にアーユルヴェーダ伝統医学専門学校が設立し、後に「応用伝統医学」という新しい概念がうまれ、近代医療との融合を深めてきました。
アーユルヴェーダ伝統医学専門学校は、現在はマヒドン大学医学部に統合されています。
タイ伝統医学は、こうして大学教育などにとりいれられ研究し始められていますが、タイ伝統医学の研究の成果が出るにはこれからというところでしょうか。
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四大元素理論とタイ伝統医学の基礎
タイマッサージで、覚えておいて欲しい理論は2つあります。
1つは4タート(元素)理論、2つ目は10セン理論です。
ここでは4大元素理論の説明をします。
これは、タイ伝統医学の理論です。
それは、今から2500年以上前のシワカ・コマラパの時代のインドの考え方から来ています。

物理学では、物質を細かく割っていくと、もう割り切れない素粒子という単位に分解できます。
古代インドの哲学では、物質を細かく割っていって、「土・水・風・火」の4つの元素に分解しました。

ですから、小宇宙である人間もまたその4つの元素に分解できます。

人間に当てはめれば、「土」の元素は骨とか筋肉、「水」の元素は血液とかリンパ液、「風」の元素は体の中の流れとか動き・生理機能、「火」の元素は食べ物が消化され栄養になるような化学作用・新陳代謝(メタボリズム)です。

タイ語では、元素のことを「タート」と言います。
そしてこのタートのバランスがくずれると不具合(四大不調)が起こってきます。
自然界では天変地異が起こり、人間は病気になるのです。
ですからこの考え方はタイ伝統医学の病気の一つの診断法でもあります。
つまり、「火」の要素のバランスが悪いと診断されれば、それにあったタイハーブを処方されます。

西洋でも、古代ギリシャのエンペドクレス(紀元前490-430年)が、4大元素理論(土・水・風・火)をとなえ、現代でも大きな影響を及ぼしている。
エンペドクレスの4大元素理論は、現代のファンタジーやゲームの世界観にも影響を及ぼしています。
土・水・風・火の各要素
土の元素(タート・ディン)…20種類
固体の構成要素で、硬性、持続性、耐久性などの性質をも、20種類に分けられます。
髪、毛、爪、皮膚、筋肉、腱、筋膜、骨、骨髄、歯、心臓、肺、肝臓、脾臓、腎臓、胃、腸、新しい食物、古い食物(排泄物)、脳・脊髄です。
水の元素(タート・ナム)…12種類
液体の構成要素で、浸透性、流動性、物質を流動させる媒体としの性質を持ち、12種類に分かれます。
涙、唾液、鼻水、胆汁、痰、リンパ液、血液、汗、脂肪、脂肪油、関節液、尿です。
風の元素(タート・ロム)…6種類
体内のエネルギーの運行、循環システムの要素で、6種類に分けられます。
体内を上昇する風、体内を下降する風、腸の中の風、腸の外の風、体内全体の風、呼吸の風です。
火の要素(タート・ファイ)…4種類
温めたり、熱くしたり、燃焼したりするエネルギーの要素で、4種類あります。
体温、熱暑、衰退、消化です。
人間には、生まれ月のタートがあり、これは妊娠時に決定します。
これをタイ語でチャオルアンと言います。
生まれつきのタートは6歳まで支配されます。
一生のうちには、その生活環境や生活習慣によってタートは変化していきます。
生まれ月のタート
タート 生まれ月 タートの特徴
11・12・1月 体が大きく、皮膚も厚く、骨太で、声が大きく、堅実です。
8・9・10月 体格は均整がとれ、肌は張りがあります。目は魅力的、髪につやがあります。声もきれいで、動作はおだやかです。性的感度はよく、子沢山です。
5・6・7月 乾燥肌で、痩せていて、髪は薄く、動くと関節が鳴ります。うらやましがり、臆病で、熱し易くさめ易い、寒さに弱く、寝つきが悪い、よく喋る、声は低く聞き取りにくい、性的には問題があり子供には恵まれない。
2・3・4月 暑がり、よく喉が渇く、食欲旺盛、髪の良く伸びる、禿げ、忍耐力がなく、関節ははずれ易い、体臭が強い、性欲は普通。
タイ伝統医学の基礎
タイ伝統医学で、体を不具合を起こす原因は、タートのバランスがくずれることですが、具体的には、タートが次の3つの状態に変化することです。

1.過剰 カムラープ タートの過剰状態
2.減少 ヨーン タートの減少状態
3.異常 ピカーン タートの異常

このタートを変化させる要因には、次の様なものがあります。

1.季節要因 ウトゥ・サムターン
2.年齢要因 アーユ・サムターン
3.時間要因 カーン・サムターン
4.国要因  プラテート・サムターン
5.行動要因 プルティカム・サムターン

1.季節要因 ウトゥ・サムターン
地球には季節があり、1年周期で定期的に変化します。
この季節の変化が人のタートに影響を与え病気を起こします。
特に季節の不順は病気を起こしやすくしますので、夏が夏らしく暑いということは重要です。
タイでは3つの季節があります。
①夏季
3月中旬から7月上旬の暑い季節には、人間のタートも暑さにさらされます。

②雨季
7月中旬から11月上旬の雨季には、人間のタートは雨にさらされます。

③冬季
11月中旬から3月上旬の冬季には、タートは寒さにさらされます。

2.年齢要因 アーユ・サムターン
人の体は年齢によって変化していきます。
この年齢の変化は、体の中のタートも変化させ、病気を引き起こす要因になります。
タイ伝統医学では、年齢は3つに分けられます。

①幼年期(ワイデック)
生まれてから16歳までで、風邪、喘息、下痢などの胆汁のピカーン(異常)による病気が多い時期です。
②青年期(ワイプーヤイ)
17歳から32歳までで、熱、頭痛、倦怠感、食欲不振などの、血液のピカーン(異常)による病気が多い時期です。
③壮年・老年期(ワイチャラー)
33歳から死ぬまでで、腹が張る、鋭い腹痛、目まい、立ちくらみ、耳鳴りなどの風のピカーン(異常)による病気が多い時期です。

3.時間要因 カーン・サムターン
時間の変化も体の中のタートも変化させ、病気を引き起こす要因になります。

①午前6時から9時と午後6時から9時
痰のピーン(異常)による病気を起こします。
②午前9時から12時と午後9時から12時まで
血液のピカーン(異常)による病気を起こします。
③昼12時から3時と午前12時から3時まで
胆汁のピカーン(異常)による病気を起こします。
④午後3時から6時、午前3時から6時まで
風のピカーン(異常)による病気を起こします。

4.国要因 プラテート・サムターン
ある国にいると、タートもその国にあったものに変化します。
国を移り住むと、その環境に慣れず、病気を起こす要因になります。
国によって、起こり易い病気も違ってきます。
①暑い国
山岳地帯のような高地の国の人は、火のタートの病気になりやすい。
②温かい国
水、砂利、砂の国の人は、水のタートの病気になりやすい。
③涼しい国
雨水と細かい泥の国の人は、風の病気になりやすい。
④寒い国
塩水と細かい泥の国の人は、土の病気になりやすい。

5.行動要因 プルティカム・サムターン
人は自分の体のタートにあった行動をする必要があります。
体のタートにあった行動とは、次の行動によるものです。

①食事…不注意な食事の摂取は、タートを変化させます。
②姿勢…姿勢に注意しないとタートを変化させます。
③気候…暑さと涼しさは、タートを変化させます。
④睡眠・食事・飲食…適切な時間にとらないで、我慢するとタートを変化させます。
⑤便・尿…これらの我慢は、タートを変化させます。
⑥力以上の仕事…体を消耗させ、タートを変化させます。
⑦悲しみ…あるべき幸福や満足を忘れると、心の潤いがなくなり、タートを変化させます。
⑧怒り…我を忘れる怒りは、体を傷つけ、タートを変化させます。

見直されはじめたタイ伝統医学
1900年代の初めに西洋医学が流入し、タイ伝統医学は価値のないものとして、一時捨て置かれる時期がありました。
しかし、王様や関係者の努力によって、現在では、厚生省のタイ伝統医学開発局、中心となって、タイの伝統医学の他中国やインドの伝統医学の研究をしてます。
そして、国立病院でもタイ伝統医学の医療技術を導入しているとこがほとんどです。
タイ伝統医学の専門病院(クリニック)は、全国で400箇所くらいあります。

大学では、国立マヒドン大学医学部、タマサート大学、ラーマカムヘン大学、ラチャパット大学(チェンライ校)、スコータイタマティラート大学、マハサラカム大学などの国立大学でタイ伝統医学を教えるようになっています。
私立では、ランシット大学タイ伝統医学部があります。
大学レベルで、タイ伝統医学の研究に本格的に取り組むようになったのは、20年位前からで、これからその研究成果が身を結ぶことが期待されます。

タイ伝統医学の導入で最も有名な病院は、1888年に設立さらたタイの最大最古のシリラート病院(โรงพยาบาลศิริราช)です。

この病院は「タイ医療の父」としてしられるソンクラーナカリン氏(現在の国王の父親)が、医療の近代化に尽力した国立マヒドン大学の大学病院です。
バンコクからチャオプラヤー川を渡ったトンブリー地区にあるシリラート病院の法医学博物館は、本来はタイの医学生、医学関係者の訪れる場所ですが、死刑囚のミイラやホルマリンづけの死体展示され、「死体博物館」として恐いもの見たさの日本人の旅行者の観光スポットとして超有名なところです。
俗称「シーウィー博物館」です。
なぜシーウィー博物館と呼ばれているのでしょう?
シーウィー・セーフンは、1927年に中国に生まれました。
成人しても150cmと体が小さく、病弱なシーウィーは、まわりからいじめの標的にされて育ちました。
1945年18歳のとき、召集され、兵隊として中国とミャンマーの国境送られ、飢餓の中で死と隣り合わせの体験をし、死んだ兵隊の人肉を食べるという体験をしたシーウィーは、翌年同僚の誘いで、貨物船に隠れてタイに密航します。

そして雑役夫として8年間タイで過ごします。
そして、それから1件は未遂に終わりましたが、続けて6件の子供の連続殺人と、不老長寿の薬として、死体から肝臓を取り出して鍋に煮て食べた罪で逮捕されました。
子供の頃、虐められっ子で、病弱なシーウィーは、生きた人の内臓を食べれば、強くなれると言う話をある出家者から吹き込まれたと言われています。
1959年9月16日、シーウィーは、1件の未遂と6件の連続幼児殺人事件を自白したため、銃殺刑に処せられました。
精神障害として遺体は解剖にまわされ、シリラート病院の法医学博物館でミイラの状態でと展示されています。

中国政府が遺体に引き取りを要求しましたが、タイ政府これを拒否、「死刑にした後も、供養する価値はない」という判断がくだされ、見学者のさらしものにされています。
シーウィーの事件は何回も映画化され、タイの人々もこの話を良く知っています。
心臓の弱い人は、この上マウスをおかないように!
拳銃で撃ちぬかれた頭部
事件当時の雑誌
シーウィーのミイラ
この話を聞いて、シーウィのミイラを見ると、人間に対する何か納得行ったような「単純な恐怖」を感じます。
しかし、後日こんな話もあります。
2008年9チャンネルのTV番組は、このシーウィーの事件について、彼が実際に殺害したのは、最後に逮捕された1件の幼児暴行事件だけで、しかも6件のどの遺体も内臓を切り取られていたなかったという冤罪説を報道しています。
中国人の密航者で、供述の言葉の信憑性や、係官から「すべてを認めて自白すれば中国に帰してやる」と聞かされていたのだとの証言も出ています。

これを聞いてしまうと、人間に対する納得行かない「複雑な恐怖」を感じてしまいますね。
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参考文献・HP・ブログ等
グローバル化時代に伝統医学が直面する課題
タイにおけるエイズのハーブ療法と伝統医療