CCA Japan タイマッサージスクール理論講座
CCAのタイマッサージ理論講座。チ。ルーシーダットンの定義、ルーシーダットンの歴史、ルーシーダットンをめぐるタイと日本の戦い。整体ストレッチ応用ルーシーダットン15ポーズの紹介、ヴィパッサナー瞑想からのアプローチ。
 
 


15時間目

「日本人は泥棒だ!」日本の特許庁が、日本のある団体が「ルーシーダットン」と言うタイの知的財産の商標登録を一時許可したことに対するタイの人たちの発言です。
タイは、「ヌアット・タイ(タイマッサージ)」をアメリカ合衆国に特許登録されたこともあるようですが、なぜかラーマ3世がワットポーに作らせたルーシーダットン像の写本の一部が、アメリカのウォルター・アート・ギャラシーに所蔵されていいます。
そしてルーシーダットン像の役割として、慢性病を治す矯正術であり、それを薬を無料で配るのと同じように、すべての階級の人が練習できるようにした旨のことが写本に書かれているようです。
つまりルーシーダットンを、歴代お王様たちが、国民健康運動として広めようとしている意図が見えるのです。
最初にルーシーにポーズをさせた像を作らせたのもラーマ1世の策略だったのかもしれません。
しかしその意図は現代まで必ずしもは成功していると言えません。
皮肉にもルーシーダットンは、ワットポーの卒業生でもあるこの団体の代表のF氏によって、美容体操にリメイクされて日本で爆発的にヒットし、本国の知的財産権の価値を高めたのです。
むしろこの事件によって、ルーシーダットンの知的財産としての意識が高まったようです。
ここで紹介しているルーシーダットン応用15ポーズに関連するタイ伝統医学奨励研究所のアニメーションのウエッブサイトは、そういう高まりの中で、タイ伝統医学やルーシーダットンを、国の医療制度の中に組み入れていこうとするプライマリーヘルスケア運動のひとつの試みです。
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理論講座
1時間目
タイマッサージ道
2時間目
癒しの瞑想
3時間目
タイマッサージの歴史
4時間目
タイマッサージの分類
5時間目
四大元素理論とタイ伝統医学の基礎
6時間目
10本の主要エネジーライン
7時間目
行列のできるマッサージ
8時間目
タイマッサージの秘訣と独特のリズム
9時間目
タイマッサージの4ポーズ
10時間目
タイマッサージのテクニックと略語
11時間目
タイマッサージの解剖生理学(1)
12時間目
タイマッサージの解剖生理学(2)

13時間目
タイマッサージの法律
14時間目
タイハーブとタイ伝統医学
15時間目
ルーシーダットンとヴィパッサナー瞑想
16時間目
理論テスト
 
ルーシーダットンとヴィパッサナー瞑想
ルーシーダットンとは
ルーシーダットンは、自分自身で行う体操で、体を健康で丈夫にし、かつ若々しく長寿にするとされている体操です。その昔、瞑想の境地を求める仙人:隠遁者や修行僧が、長時間の座禅により強張った体や凝った筋肉をほぐすために経験的に考え出され伝承されてきたストレッチ体操だと言われています。
ルーシーダットンのタイ語は、ルーシーは「仙人」、ダッは「曲げる」、トンは「自分」を意味します。
このストレッチ体操は、頭の先から足の先まですべての筋肉を刺激し、その働きを促進し、血液の循環を良好にします。
そして筋肉に蓄積された老廃物を排出して新しい酸素を供給し、筋肉の凝りや痛みの症状を解消させます。
また関節と筋の動きを滑らかにし、胸の筋肉や肋骨の運動は肺の働きも良好にします。
つまりルーシーダットン体操は、現代人でも誰もが体を丈夫で健康でアンチエージングな体を維持することができる体操と言えます。
かつての王様がまとめて造らせたと言われるルーシーダットン像のルーシー(仙人)のイメージは、当時のタイ人にとっては智慧と徳を兼ね備えたグルとして、尊敬と畏敬をもって接した存在であり、庶民はそのようなまなざしでルーシーダットン体操を行ったのだと思います。
ある研究者たちは、ルーシーダットンをインドのヨガに結びつけようと考えていますが、よく観察してみれば分ることですが、ルーシーダットンはインドのヨガのような過激なポーズがなく、一般的に健康な人なら老若男女だれでもが行えるものであるのが特徴です。
ルーシーダットンの歴史
西暦1788年、ラーマ1世(チュラローク王)は、ワットポー寺院を修復し、薬草の知識をまとめ、ルーシーダットン像を土で作らせました。しかしこれらのルーシーダットン像は劣化が激しく、現在ではいくつの像を造ったのかはっきりしていません。
その後、ラーマ3世は、
1836年クロムムンナロンハリラック(ラーマ一世の息子)に監修させて、長い歳月をかけて、80のポーズを選択して錫を混ぜて鋳造し、それぞれのポーズの効能を、国王の6篇を含め35人が80篇の詩の形式にまとめて像の下の石に刻みこみました。
また絵と詩は木の皮のタイ紙にも記録されましたが、本堂のまわりに刻まれた詩は劣化が激しく、像も移動して詩から引き離さてつながりが分らなくなったもの、盗難にあったものなど、像や詩が新しくつくられたものもあって、特にワットポーの壁や像から書き移されたテキストには、間違ったものもが多くみられます。

ワットポーに現在残っているルーシーダットン像は、次の24体だけです。
日本とタイのルーシーダットンバトル
日本では、近年の健康ブームにのり、ヨガやルーシーダットンなどのストレッチが流行しています。
「ルーシーダットン」という言葉は、今では日本の誰もが一度は耳にしたことのある名前でしょう。
それに対してタイの国民的な財産であるルーシーダットンは、タイではあまり具体的な認知度がありません。
体操といえば、麻薬撲滅運動など国策の1つとしてはじまったエアロビクス運動で、夕方になると街のところどころで、エアロビクスが激しく展開しているのが現状です。
このルーシーダットンが、タイの国民に強く認知されなおしたのは、日本のある団体が、ルーシーダットンと言うタイ独特の体操の呼称を商標登録して独占しようとした事件です。
これを受け、2006年5月ピニット保健省大臣は、ルーシーダットンは少なくともラーマ1世の治世の時代には存在していたタイ固有の無形財産であり何人も個人の権利として所有する事は許されないと日本の特許庁に対してタイ商務省を通して異議申がされました。
タイ商務省は
『ラーマ1世は、タイ国内に点在していた医学知識を収集しましたが、その対象にルーシーダットンが含まれています。
またルーシーダットンのポーズ像を作成し国内に広く普及させようとしました。
その後ラーマ3世が一部損壊していたルーシーダットンの像に替わる像を新たに作成し、その用法に関する解説を表した詩を刻んだ石碑を設置し普及に努力しました。
ラーマ1世や3世により一度は体系づけられ国民に周知されていたルーシーダットンは、像や石碑の多くが破損、盗難等にあうなどの事情により資料が散逸し、本来の型や効能等が不明になるという事態に陥いりました。、
その後タイ政府は1993年から2004年までに渡る伝統医学知復興プロジェクトにより、散逸した知識を再収集し再度体系化させると共にトレーニングコースの開設や書籍の出版、博物館における模型の設置、イベントの開催や普及促進グッズの販売等により再普及に努めています。
ルーシーダットンは、タイ及びタイ国民の間で大切に守られてきたタイ伝統的医学の知識の一つとして、国王や政府が復興・普及に努めてきたきたタイ及びタイ国民の文化的遺産であると判断されるべきです。
そして、商標登録者が日本国内で商標登録がされていない機会を利用し利益機会を得る目的で商標を出願し登録を得た行為は、タイ及びタイ国民の尊厳、国民感情からみて国際信義に違背する恐れがある穏当ならざるものであり、このような行為に基づいて登録された商標を商標権者が独占して使用することは公正な取引秩序を阻害するおそれがある』
と主張し、2007年3月に、日本の特許庁は、この商標登録を無効としました。
タイよりむしろ日本で流行しているルーシーダットン体操ですが、その流行には、この団体の役割もかなり大きいことも確かなようです。
今後日本とタイは、このわだかまりをこえて、ルーシーダットンを通して、お互いの文化を理解し、いっそうの交友を深めて行きたいものです。
ここで、この事件をあげたのは、ルーシーダットンと言うものの存在が、タイの国にとってどういうものであるか今まで曖昧だったのですが、ここでタイ政府が公式にルーシーダットンをタイ伝統医学の一部と位置づけていることがわかり、ある意味重要な声明であると思ったからです。
ルーシーダットンの効用
ルーシーダットン体操は、エキササイズ効果、基本的なヒーリング効果以外にも、次のような効用があります.

1.押したり、揉んだりのマッサージで、腕や脚が自然で滑らかに動くようになります。
2.様々なポーズの運動を施すことで、体の中の血液の循環を良くし、気(風)の流れをスムーズにします。
3.免疫力を高め、健康を増進し、若々しい体にします。
4.メディテーションにより、心を安定させ、わだかまり、苛立ち、眠気、執着、ストレスを解消します.また、正しい呼吸法を訓練することで、効率的な呼吸が身につきます。

ルーシーダットン体操は、上記以外にも理学療法的観点でも、次のような効果ももたらします。

@筋肉のストレッチ効果(Muscle Stretching)
A(Static)と動(Dynamic)の二種類のエキササイズ効果(Exercise)
B効率的な呼吸訓練効果(Breathing Exercise)
C胸部の運動効果(Chest Mobilization)
Dマッサージ効果(Massage)

呼吸法
ルーシーダットンの練習について、教典では特に呼吸法については明言されているわけではありせんが、ルーシーダットンは、仏教の座禅と同じように、入息と吐息の呼吸のコントロールに重点をおきます。

入息
ゆっくり鼻から息を吸って、ゆっくりお腹をふくらませ、両側の肋骨を開き、肩を上げることで、できるだけ息を吸い込みます。
そしてしばらく、息を止めおきます。この時、お腹の前を少しだけ縮め、胸を思いっきり開いて伸ばします。
吐息
ゆっくりと息を吐き、お腹を縮め、両側の肋骨を狭め、肩を下げることで、思いっきり息を吐き出します。

 ルーシーダットン体操のコンセプトは王様が施した『薬の無料配布』
 『タイの王様は、国民が健康であることを第一に願いました。
そして昔からある土地の知恵を集めて、お寺に健康体操のお手本としてルーシーダットン像を立てたり、お寺の壁にタイ
ハーブの処方を書いて国民に公開しました。
昔、国民の父と言われたラーマカムヘン王が、ハーブの丘にいろいろな病気に効く薬草を植え、国民が病気になるとそこ
からハーブを摘んで持ち帰ったと言う逸話にならったものです。
人々は具合が悪くなると、その症状に効く薬草の処方を書き写して帰って、自ら薬を調合して服用しました。
この寺の小僧たちは、読み書きを習っていましたので、字が読めない人々のために、薬草の処方を書き写して小遣いをも
らっていました。
その小僧の中に、すべてのハーブの処方をあらかじめ何枚も書き写しておいて、人々が必要なとき即座に処方を取り出し
て販売し、大金を稼いだ商人マインドの小僧もいました。
しかし、ルーシーダットン像も壁に書かれたタイハーブの処方も、ある日誰か?の手によって、突然破壊され、消滅して
してしまいました。
破壊されたお寺の壁は、今では心ある大きな製薬会社の寄付によって、前よりも立派な壁に変わっています。
もちろん、その壁にはタイハーブの処方はどこにも書かれていません。
その製薬会社は、たくさんのハーブによる薬の特許を独占していて、たいへん儲かっています。』
この話はタイのネット上に書かれていたフィクションですが、とてもイタイ本質をついているのではないでしょうか。
ラーマ3世の時代に作成されたルーシーダットンと詩は写本され、現在なぜかアメリカ合衆国のウォルター・アートギャ
ラリーに一部が貯蔵されています。
そして、この写本の序文には「…我々は慢性的な病気を治し、またそれらを取り去る方法の専門家によって生みだされた
運動姿勢の仕方をここで説明しようと考えている…これらは、薬の無料配布のようにすべての階級の人々が使えるように
作成された」と書かれているそうです。
クールタイ・ルーシーダットンは成功するのか?
15年以上タイでタイマッサージをみてきたが、これは私の意見だが、政府とか役人とかかかわってきて、いいことはない。
あきらかにタイマッサージは魅力のないものになってきたと断言できる。
日本のアニメやポップカルチャーを、外国に広めようと始まった、600億円の国民の税金を投入した厚労省のクールジャパン。その前にもう民間の力で広がっているのだが・・・。
例外なく失敗に終わっている。
日本のコンテンツをハリウッドで映画化しようと22億2千万円を投入した映画企画会社は、1本の映画も作れることなく、数年後京都の会社に3千4百万円で売却された。
日本の役人たちほどグロテスクではないが、タイでも毎年いろいろのプロジェクトが計画され、そこに予算が投入され、そして人知れずプロジェクトが消えて行く。
次はタイの厚生省のクール・ルーシーダットン企画。
タイマッサージスクールなどで、ただの朝ルーシーとして、行われているくらいか。
先ほどのお騒がせの日本人にプロデュースしてもらったら一番良いが、役人たちの思惑くは、違うところにあるのでしょう。
私もささやかにヘタなアニメをそえてみたが・・・。
 整体ストレッチ・ルーシーダットン応用15ポーズ
整体ストレッチ・ルーシーダットン応用15ポーズは、タイ伝統医学研究所と厚生省が、ルーシーダットン127ポーズの中から、次のようなコンセプトで選んで改良した国民健康体操です。
1.日常的に無理のないポーズで、首・肩・腕・胸・腹・腰・膝・足まで、全身に及ぶ運動になること
2.誰でも練習すればできるポーズで、骨格のバランスの大切さが、認知できるポーズであること
3.元来のルーシーダットンポーズを、座る・寝る・立つポーズに応用し、連続性のある流れにまとめました。
4.ラワンダ女史の整体学にそって、垂直・水平・斜めの運動で、バランスが簡単にとれるようなポーズを選び、バランスをくずして怪我をしないようにした。
5.ロイヤルマッサージに造詣が深い、故クルンクライ医師による顔面体操7ポーズを新たに作って加えた。
6.部分的なヒーリングだけでなく、バランスの矯正が容易にできるようなポジションを選んだ。
7.西洋医学とタイ伝統医学の医師の助言を受けながら、両者が推奨できるポーズを選んだ。
整体ストレッチ体操のために新たに付け加えられたポーズです。
効果:目の動きを良くし、顔面の筋肉を和らげて、穏やかな表情を作ります。
準備ポーズ
あぐら座で、背筋を伸ばして座ります。

エキササイズ
@髪をかきあげるポーズ
人差し指と中指で、目のくぼみ(眉のライン)を押さえて、ゆっくりと髪をかきあげるように、3本の指で顔を押しながら頭の上のほうにずらして行って、最後は頭の後ろで終わります。
5-10回繰り返します。

Aおしろいを塗るポーズ
両手の人差し指と中指で、鼻の横を押さえ、ゆっくりと上にずらしてて行って、中指の先が額の中央でつき合わさったら、眉の方に横にずらして行って、眉尻から下にさがり、ホホを通ってアゴまでさがります。
5-10回繰り返します。

Bよだれをぬぐうポーズ
左手のひらを、その薬指が右耳の耳たぶに触れるように口にあて、手を口に密着させながら左耳の耳たぶまでひいて行きます。
左右5-10回繰り返します。

C汗をぬぐうポーズ
左手の甲を、その薬指が右耳たぶに触れるようにアゴにあて、手をアゴに密着させながら左耳の耳たぶまでひいていきます。
左右5-10回繰り返します。

Dアゴつきのポーズ
両親指をそろえて、アゴの下の真ん中を押すと同時にアゴを親指の先に押し付けるようにする。
それぞれ10数えてから、アゴの角まで押して行く。
5-10回繰り返します。

E耳こすりのポーズ
人差し指と中指で耳をはさんで、手のひらはホホに密着させ、上下に強く擦ります。
5-10回繰り返します。

F頭たたきのポーズ
両耳に両手の手根部を押し当てて、両手の指先が後頭部を触れるようにし、手根部は固定したまま、指を思い切りしならせて、後頭部を連打します。
5-10回繰り返します。
効果:手首と性器の風の流れをスムーズにします。
手首の関節を滑らかにし、肛門に力を入れるこで、肛門と性器を刺激します。
インドのヨガでは、ここに生命力をつかさどる第一チャクラが存在します。
準備ポーズ
あぐら座で、両手をあわせて合掌します。
この場合、手は胸からはなして手のひら一つ分、離します。
腕は床と水平にします。

エキササイズ
息を思いっきり深く吸い込みながら、左手で右手を押し、逆に右手は左手を押し返します。
指先は押されて傾斜し、両手の手根はみぞおちの前で均衡を保ってます。
しばらく呼吸を止めてお腹をふくらませ、肛門はしっかりと閉めます。
ゆっくり息を吐きながら手の力を緩めて、準備のフォームに戻ります。
左手と右手交代で、1セットを5回から10回します。
効果:頭・腹・足首の風(気)の流れを良くし、頭痛・腹痛・足首痛を解消します。
また、肩関節の動きを滑らかにし、一連造作で、肩・首・胸・腹のとどこおりを解消し、頭や腕に走っている血液の流れを良好にします。
準備ポーズ
あぐら座で、両手をみぞおちの前で組みます。

エキササイズ
ゆっくりを吸いながら、わき腹と同じ幅で、両腕が耳につくように、手を組んだまま頭の上に上げて行きます。
組んだ両手を頭の上で手のひらを上にして思い切りそらし、しばらく息を止めます。
息を吐きながら、組んだ手を離して、後ろに弧を描くように手をひろげて下げて行きます。
そのまま手をこぶしにしてゆっくり腰骨の上におきます。
こぶしで腰を押しながら息を深く吸い込んで、さらに強く押しながら息を止め、こぶしの力を緩めながら息を吐きます。
少しずつ位置をずらしながら両ごぶしが腰の後ろでぶつかるまで繰り返します。
5-10回繰り返します。
効果:頭痛・目のかすみ・倦怠感を解消するポーズで、肩の関節をあらゆる方向に動かすことで、その動きを円滑にし、頭に流れる血の流れをよくして倦怠感や眠気を払拭します。
準備ポーズ
あぐら座で、両手をみぞおちの前で組みます。

エキササイズ
息を深く吸いながら左側に腕をまっすぐ伸ばして、組んだ両手のひらを思い切り反らします。
背筋はまっすぐ、顔は正面を向き、腕は肩のレベルで床と平行に維持し、しばらく息を止めます。
ゆっくり息を吐きながら腕を曲げて準備のポーズに戻ります。
同様に腕を右側に伸ばします。
同様に腕を前にまっすぐ伸ばします。
同様に腕で耳を挟み込むように頭上に上げます。
息を止めて、ゆっくりと両腕を下ろし、そのまま頭の上で一休みしてから息を吐きながらゆっくり準備のポーズに戻ります。
左右前上を1セットで、5-10セット繰り返します。
効果:肩と腕の付け根の運動で、腕のコリを解消し、腕の動きをスムーズにします。
準備ポーズ
あぐら座で、背筋を伸ばし、左肘を床に平行にあげ、左手を左ホホにおく。
右手は左ヒジをつかむ。

エキササイズ
息を深く吸い込んで、左ヒジの下をつかんでいる右手をできるだけ引っ張る。
同時に左ヒジをこわばらせて右手の力に抵抗する。
左手のはホホをなでる。
しばらく息をとめてから、息をはきならがら準備ポーズに戻る。
同様に、なでている左手のひらを左手の甲にかえて繰り返します。
左右手のひら・甲1セットで、5-10セット繰り返します。
効果:膝、背中、腰の動きを滑らかにし、老化を防止します。
準備ポーズ
両脚を伸ばして座り、両手は太モモの外におきます。
顔はまっすぐにします。

エキササイズ
思い切り深く息を吸いながら、両手で太モモから足の先までをマッサージします。
脚は曲げずに、背中をマッサージのタイミングでリズム良く曲げ、背中の筋肉をストレッチします。
足の先をつかまえたら、できるだけ体を曲げ、しばらく息をとめます。
息をはきながら、足先から手を離し、足首から太モモまでをマッサージして準備ポーズに戻ります。
5-10回繰り返します。
効果:眠気をふっとばし、筋肉の使いすぎや血流不良による肩、胸、脚の筋肉痛を改善できます。
特にポーズ6から続けてすると特に効果があります。
準備ポーズ
左脚を45度斜めに伸ばします。
右脚は曲げて、足のひらを左脚につけます。
両手を拳にして、胸より手のひら一つ前で、あわせます。

エキササイズ
息を思い切り深くすいながら、左手の拳を左足のつま先の方向へ伸ばします。
腕は脚と平行で、高さを肩のレベルに保ちます。
顔は左の拳を追いかけるように動かします。
右の拳は反対側に肩甲骨と背中が緊張するくらい思い切りひいて、
しばらく息を止めます。
力を抜き、息をはきながら準備ポーズに戻ります。
次に右脚を伸ばして、同様に繰り返します。
左右1セットで、5-10セット繰り返します。
効果:腕、手首、指をストレッチし、腕の中の風(気)の通りを良くして、腕を軽くする。
準備ポーズ
左脚を立てて座わります。
左腕を肩のレベルで前に出し、手のひらをまっすぐ立てて膝の上から離します。
右手で左手を前からつかみます。

エキササイズ
思い切り深く息を吸いながら、右手に力を入れ、左手はそれに抵抗するようにする。
両手は緊張させる。
息をしばらく止める。
息をはきながら、左手をつかんでいる右手を離し、左手の指を思い切り開く。
指を小指から順番に折りたたみ、拳にしたら、下向きに垂らす。
同様に右膝を立てて、右手を伸ばして行う。
左右1セットで、5-10セット繰り返します。
効果:背筋を伸ばし、排泄を良好にします。
脚と膝を丈夫にし、長寿のポーズと言われます。
準備ポーズ
脚を肩の幅に広げ、足先を外に開きます。
両手を拳にして、胸の前で重ねます。
腕は地面に平行させ、手は胸から離します。

エキササイズ
思い切り息を深く吸い込みながら、背筋を伸ばし体をゆっくりおろして行きます。
お腹、肛門に力を入れて、しばらく息を止めます。
ゆっくり息を吐きながら、準備ポーズに戻ります。
5-10回繰り返します。
効果:肩、脚、膝をストレッチし、腰、胸、脚、肩を柔軟にします。
準備ポーズ
左脚を45度前に出して立ちます。
左手は左モモにおきます。
右手は腰の後ろにおいて、手根で腰を圧迫します。

エキササイズ
思い切り深く息を吸い込みながら、左膝に体重をかけながらゆっくり左脚を曲げます。
視線は右肩を追い、上を仰ぎ見て、息をしばらく止めます。
右手の手根で、腰を強く押します。
息をはきながら、ゆっくり準備ポーズに戻ります。
同様に右脚を出して繰り返します。
左右1セットで5-10回繰り返します。

効果:肩と胸のストレッチで、肺の中をリフレッシュします。
準備ポーズ1
体をまっすくにして、両脚をそろえて、仰向けに寝ます。
両腕は体につけて、手のひらは地面につけます。

エキササイズ1
息を思い切り深く吸い込みながら、両腕をまっすぐ伸ばして、頭の上まで持って行きます。
両腕は耳をはさみこみ、しばらく息を止めます。
息をはきながら、準備ポーズに戻ります。
5-10回繰り返します。

準備ポーズ2
両手を組んで、手のひらを下にして、お腹の上に置きます。
体はまっすぐにし、両脚はつけます。

エキササイズ2
息を思い切り深く吸い込みながら、組んだ両手を足先にむかって反らせます。
それからゆっくり弧を描くように頭の上にもって行きます。
両脚はまっすぐ、両腕は両耳をはさみこみます。
そのまま息をしばらく止めます。
息を吐きながら、組んだ両腕をおろして額の上に置きます。
手のひらは上を向いています。
息を思いっきり深く吸いながら、組んだ両手を反らして、下腹部の方まで肩が伸びるように伸ばします。
アゴを上げ、足の甲を反らします。
5-10回繰り返します。
効果:手、膝、足首のストレッチ
準備ポーズ
両脚を肩の幅に開いて立ちます。
脚の先は少し外に開きます。
背筋を伸ばして、腰を少し落とします。
ヒジを広げて、手の手根が外に向くように股の付け根に置きます。

エキササイズ
息を思い切り深く吸い込みながら、足先が外を向くように左足を浮かします。
同時に両側から両手を押し付けるようにします。
背筋はまっすぐにし、膝は曲げて、足先は上に向けます。
両手の圧迫を強めながらしばらく息を止めて、息を吐きながら準備ポーズに戻ります。
脚をかけて左右1セット5-10セット繰り返します
効果:股関節、ヒップ、背中、肩をストレッチします。
準備ポーズ
両脚をつけて立ちます。
両手は親指を股の付け根にそわせて、太モモの横に置きます。


エキササイズ
息を思い切り吸い込みながら、両手で太モモから足首までマッサージして行きます。
マッサージをする時は、背筋を伸ばしながら少しずつかがんで行きます。
最後に地面にタッチするか、手のひらを地面につけます。
両脚はまっすぐのままです。
息を吐きながら、足首から太モモまでマッサージして準備ポーズに戻ります。
5-10回繰り返します。
※最初は脚を広げて、少しずつ閉じてやるようにしても良いです。
効果:首、胸、脚をストレッチして、全身の風(気)の滞りを解消します。
準備ポーズ
うつ伏せになって、両脚は伸ばしカカトを合わせます。
両手をかさねて、地面につき、その上にアゴを置きます。

エキササイズ
息を思い切り深く吸い込みながら、顔をできるだけ起こします。
両膝は曲げて、できる限り足先が頭の方を向くように甲を伸ばします。
手のひら、お腹、モモを強く地面に押し付けて、しばらく息を止めます。
息を吐きながら、頭、足を下ろして準備ポーズに戻ります。
5-10回繰り返します。
効果:手、首、腰、膝、脚、足のストレッチをして、手足のコリを解消します。
準備ポーズ
横向きに寝て、両脚をくっつけて、体をまっすぐにします。
左腕はまっすぐ頭の上に伸ばします。
手のひらは地面につけ、二の腕に頭を乗せます。
右腕は腰とモモの横につけます。

エキササイズ
息を思い切り深く吸いながら、頭をできるだけ上に起こします。
目は正面を見据え、胴につけていた右手をすべらせて左足首をつかんで、後ろに引っ張ります。
腕を緊張させ、しばらく息を止めます。
息を吐きながら、引っ張りあげた足と頭をゆっくり下ろして準備ポーズに戻ります。
左右横向きで1セットで5-10セット繰り返します。
ルーシーダットンの動画は、次の外部サイトのホームページを参考にしてください。
http://www.rusiedotton.thai.net/main_page.php
http://video.gigchat.com/view_7586891a675f3674b8bd.html
※各ポーズ名は、イメージとして記憶しやすいようにアレンジを加えて、超訳していますので、タイ語の説明書きの直訳ではありません。
以前日本からの電話の問い合わせで、当スクールで教えているルーシーダットンには、「すべてポーズの名前がついているか?」かという質問がありました。
日本でヒットしたルーシーダットンには、ヨガのポーズ名のように名前をつけてあるのでその連想なのでしょうが、原文には説明書きしかないので、「特にありませんと」言うと、電話の向こうでひどく落胆してる様子がみてとれました。
結局その人は受講をしなかったと思います。
スクールで教えている108ポーズに名前をつけるのは、大変なことですが、ここでは15ポーズなので、その人のためにポーズ名をつけてみました。
その他、タイの格闘技である、ムエタイ(タイ式ボクシング)でも、ルーシーダットン体操はとり入られていて、準備体操として「体に火をつける13ポーズ」などがあります。
バンコクのワットポーの十八番(オハコ)になっているルーシーダットン。
これは、北地方のランナータイ王国の初代マンラーイ王の故郷チェンセーンにあるルーシーダットン像。
ワットポーのルーシーとはまったく顔立ちが異なっています。
なぜ?
CCA タッチ・プライベートのルーシーダットン108ポーズ
CCAでは、タノム先生が1日8時間のプライベート授業で108ポーズを教えています。
CCAでは、十年くらい前日本でホッヒットして以来、粛々と教えて続けています。
当時は、タイでも日系のルーシーダットンスクールがいっぱいできましたが、今は教えるところをみつけるのが難しくなっています。
健康体操として、どんどん広めて行こうという趣旨で、細部にこだわらない、ゆるーいユルルーシーです。
ヴィパッサナー瞑想
 近年欧米で盛んになっている『現代ヴィパッサナー瞑想』は、ミャンマーで、火がついた瞑想法です。
それは伝統的儀式や布施行や布教に重きをおかず、宗教の枠をこえ一般の人たちに役立つシンプルで分かりやすい瞑想法として始まり、アジアや欧米で共感を得ました。
欧米では、修行と言うよりはひとつのセラピーの手法として広く応用され始めています。
ヴィパッサナー瞑想は、サマタ瞑想と並んで上座仏教で良く使われる瞑想法のひとつです。
仏陀が悟りを開いた瞑想とも言われています。
大乗仏教の日本では、瞑想と言えば座って呼吸をととのえるサマタ瞑想がよくしられています。
それゆえに当初はヴィパッサナー瞑想に重点をおく瞑想法はあまり受け入られずいましたが、しだいにいくつかの団体の瞑想センターができ始めています。
ヴィパッサナー瞑想は、「気づきの瞑想」と言われ、あるがままに見るためのの瞑想法です。
普段私たちは、いろいろなことを思い浮かべています。
例えば、今日新しく出会った人物の顔が何となく気に入らなかったりします。
よく思い出してみると、小さいときに虐められたいじめっ子の面影にどこか似ていたりします。
つまり私たちは、そういう妄想(もうそう)によってものを見がちであって、真実をあるがままに見ているわけではありません。
ヴィパッサナー瞑想は、妄想をやめて、あるがままの自分に気づく瞑想法です。
ヴィパッサナー瞑想には、いろいろな方法がありますが、それは座る動作だけではなく、寝たり、立ったり、歩いたり静的・動的両動作でも行われるのが特徴的です。
  つまり、日常の動作すべてにおいて、瞑想的でいることも可能なのです。
ここでは、スリランカの僧侶のスマナサーラ氏(日本テーラワーダ協会)のヴィバッサナー瞑想実践法を紹介します。

その三原則です。
1. スローモーション
2. 実況生中継
3. 感覚の変化を感じ取る
一つ目は、スローモーション。
からだをふつうのスピードで動かすのではなく、できるだけゆっくりスローな動きで行うこと。

二つ目は実況生中継。今行っていることを、頭の中で簡単な言葉で確認すること。
それを隙間なく、切れ目なくするのです。
これを実行すると、雑念が消え、瞬時に集中力が生まれます。

三つ目は、感覚の変化を感じ取ること。手を上げたり、歩いたり、座ったりするたびに、からだの感覚が変わります。
考えるときも激しく感情が変わっていくのです。
これらの変化を何も解釈せず、感じることです。

 
 ここでヴィパッサナー瞑想を紹介したのは、ルーシダットンは仏教の修行僧の長時間の瞑想のコリをほぐす体操で、瞑想そのものではありませんが、ただ漫然とルーシーダットンをするのでなく、ヴィパッサナー瞑想法の原則をルーシーダットンに応用して瞑想的なアプローチをしてもおもしろいなと思ったからです。
 
またタイは上座仏教の国ですから、このヴィパッサナー瞑想を含んだ瞑想プログラムのあるお寺がチェンマイにも多数あります。
基本的には10日以上のプログラムが一般的ですが、2日コースまたは4日コースの初心者向けコースがあるスワンドック寺院の瞑想ワークショップの詳細をリンクさせていただきます。
139 Wat Suandok T.Suthep A.Muang Chiangmai
50200
TEL: 053-278-304 / 053-283-997
E-male : watsuandok53@gmail.com

毎週火曜日14時集合、最終日はお昼頃解散。
4日コースは、月に1回です。
費用は2日コース500バーツ、4日コース1000バーツの他白い瞑想用の衣服300バーツです。
興味のある方はメールなどでお問い合わせくだい。
その他の瞑想寺
ワット・ランプーン ワット・ウモーン ワット・ドイステープ

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