CCA Japan タイマッサージスクール理論講座 
専門用語が多く頭の痛くなる解剖学の勉強です。タイマッサージに必要なものだけをとりあげた最小限の「タイマッサージのための解剖学」です。
 
 
12時間目 解剖学は正面からアプローチすると、たぶん成功しません。
それは興味がないからです。
タイマッサージに関係ある部分にしぼって勉強しましょう。
マッサージは、クライアントの肌にタッチして、良い刺激を与えることです。
学校で、視覚・味覚・聴覚・臭覚・触覚という五感(特殊感覚)と言うのを習いましたが、リラクゼーションのマッサージは、そのうち触覚に良いイメージを与える行為ということになります。
しかし、サロンは、触覚だけでなく、視覚・味覚・聴覚・臭覚など、すべての五感に良いイメージを与えようと考えています。
先ず、来店すると、美味しいハーブティーなどをだされ、味覚に良いイメージを与えられます。
もちろん、店内のインテリア、施術者のきちっとした身なりや清潔なイメージは、視覚に良いイメージを与えます。
また、店内はやさしいフィーリング音楽が流れ、爽やかな香りのアロマオイルなどが炊かれ、聴覚や臭覚に良いイメージを与えています。
現代のマッサージは、触覚(マッサージの腕前)だけでなく、すべての五感を心地良くさせるように企てられています。
チェンマイでは、歩行者天国の地面にただマットをひいた街頭マッサージから、高級スパまで、1時間120バーツ(360円)から1000バーツ(3000円)くらいの施術料のレンジでタイマッサージが受けられますが、触覚(マッサージの腕前)以外の感覚にどのくらい、心地よさを与えてくれるかが、価格差ではないでしょうか。
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理論講座
 
1時間目
タイマッサージ道
2時間目
癒しの瞑想
3時間目
タイマッサージの歴史
4時間目
タイマッサージの分類
5時間目
四大元素理論とタイ伝統医学の基礎
6時間目
10本の主要エネジーライン
7時間目
行列のできるマッサージ
8時間目
タイマッサージの秘訣と独特のリズム
9時間目
タイマッサージの4ポーズ
10時間目
タイマッサージのテクニックと略語
11時間目
タイマッサージの解剖生理学(1)
12時間目
タイマッサージの解剖生理学(2)
13時間目
タイマッサージの法律
14時間目
タイハーブとタイ伝統医学
15時間目
ルーシーダットンとヴィパッサナー瞑想
16時間目
理論テスト


 
タイマッサージの解剖生理学(2)
ウォームハンド・ウォームハート(温かい手の人は心が暖かい)

皮膚には、触覚(何かが触れている)・痛覚(痛い)・温覚(温かい)・冷覚(冷たい)・庄覚(押されている)などの皮膚感覚を感じる神経終末がそれぞれ点として分布しています。
刺激を感じる点を痛点、触点、温点、冷点、圧点などとよんでいます。
点の分布の平均的な割合は、温点=1、冷点=3、痛点=100~200です。
つまり皮膚感覚は温かさの100~200倍一番痛みを感じやすいということです。
痛さは不快です。
タイマッサージでは親指で押すとき親指の先ではなく、親指の腹でソフトに押せと指導します。
また人間は、温かさより冷たさを3倍良感じるようです。

施術の部屋の温度も気をつかいたいところです。
経験的には、タッチの冷たさは不快のようです。
特にタッチの第1撃の悪い印象は、以後の施術にトラウマを残します。
タイマッサージでは、手を擦り合わせたりして、温かい手でタッチするように指導します。
「ウォームハンド・ウォームハート」と言います。

指先は0.001mm以下の凹凸を感じられる
指先の感受性は、タイマッサージ師にとって命です。
人間は普通0.2mm程度の凹凸は指先で感じられるようです。
NHKのテレビ番組で、五感の迷宮Ⅴ「触覚 進化が磨いた高感度センサー」で放送されたのですが、すぐれた職人の指先は、0.001mm以下の凹凸を感じ取ることができるよようです。
これはログインフィルというボディーワークでの指先の感覚を磨く訓練です。
先ずティッシュペーパーの下に髪の毛を置いてティッシュの上から髪の毛があるという感覚をつかみます。
そして、電話帳の紙と紙の間に髪の毛を一本挟んで、1ページごとに10本の指先で髪の毛がある部分の感覚がつかめたら、また1ページ増やしてとページ数を増やしていく訓練です。
万病は小腸にあり
胃は食物を消化し、小腸は栄養を吸収し、免疫をコントロール(リンパの母)します。
免疫の60パーセントが小腸に集まっていて、そのため小腸はほぼ無菌状態で、小腸ガンはあまり起こりません。
また足裏や、ふくらはぎは第2の心臓でしたが、腸は第2の脳と言われています。
小腸には脳からの神経細胞がほとんどつながっていないので、脳の支配下になく、独自に働いています。
食べ物の栄養成分や化学成分を分析し、膵臓・肝臓・胆嚢に指示を出すのも小腸の自己判断で行っています。
逆に脳に干渉する場合もあります。
毒物や腐ったものが口に入ると吐き気をもようさせたり、下痢をおこさせたりして、異物を早期に排出させるのです。
なので、私たちはたとえ脳死状態になったとしても、消化器は働いているのです。
またセレトニンと言う神経伝達物質の大半が腸で作れていると言う説もあります。
セレトニンは、興奮を抑えたり、感情を安定させる物質です。
これが不足するとイライラになり、うつ病はセレトニンの不足が原因とも言われています。
東洋医学では、「万病は小腸にあり」と言う考え方があります。
小腸の働きが、健康に深く関係していると言うことです。
それは、胃腸で栄養を消化吸収するだけでなく、漢方では、『胃や小腸の働き』を大切に考えます。
特に、小腸の『蠕動(ぜんどう)運動』が活発に働くことが、全身の循環や冷え、代謝と関係していると考えます
便秘は万病のもと

小腸は独立した神経ネットワーク(腸脳神経)を持っていますが、大腸は脳と神経でつながり、自律神経の支配を受け、脳と情報交換をして、密接な相関関係を持っています。
これを「腸脳関係」「脳腸関係」と言います。
例えば、脳が不安、あせり、プレッシャーなどのストレスで緊張すると腸も緊張し、腸の蠕動(ぜんどう)運動が早くなり下痢を起こし、遅くなると便秘が生じます。
逆に下痢や便秘などの不調は、脳にストレスを与えて、ストレスの悪循環が起こります。
「便秘は万病のもと」と言われ、腸の中に便が長時間溜まり続けると、細菌が作り出した有害なガスが腸から吸収され、それが血液に入ることで全身に毒素が巡り、その結果、肌荒れやだるさが起こりやすくなり、免疫力の低下などを引き起こすと考えられています。
 理想的な「うんこ」は、バナナ状と言う一種常識がありますが、うんこの専門家(肛門科のお医者さん)に言わせると練り歯磨きやマヨネーズのような有形軟便が理想だそうです。
便器は多少汚れますが、汚れる程度の柔らかさが必要なのだそうです。
ソフトチネイザン:お腹のマッサージ
 内臓マッサージと言えば、チネイザンの創始者マンタック・チア(謝明徳)の作ったチェンマイのタオガーデン、ヨン様、サッカーのベッカム夫妻、ナオミキャンベルが訪れたというホアヒンのチバソムなどの滞在型の高級リゾート・スパが有名です。
チネイザン(氣内臓)は、タイマッサージではありません。
その手技はどちからと言えば、中国式マッサージに近いものです。
チネイザンの創始者謝明徳氏は、タイで生まれ、香港やシンガポールで学んだ中国人です。
そのご自身の著書でチネイザンはタイでDr.Mui Yimwatanaに学んだとされていて、最初に彼のHealing Tao Systemのセンターを開いたのがチェンマイです。
タオ(道教)思想や気功、太極拳などをトータルで学ぶシステムが「東洋の神秘好き」欧米人の心をとられえました。
そしてチネイザンの「内臓と感情との相関性」の概念が、ストレス社会のアメリカ人や西欧人の心を射止めて、その部分が突出して有名になったと言えます。
チネイザンは、タオ(道教)、気功、太極拳などを中心にすえ、メディテーション、ヨガ、ムエタイ、カンフー、合気道、陰陽五行、アーユルヴェーダ等の影響をうけながら謝明徳氏がトータルな健康療法として体系化した「Healing Tao System」の中の一部にすぎません。 
 
 本来は、そのシステムを体系的に時間をかけて段階をへて学ばなければなりませんでしたが、最近はタオガーデンにとては、非公式ながらチネイザンの部分だけチェンマイの巷に流出し、誰でも簡単に安く習うことができるようになって来ていまが、タオガーデンとのトラブルも起きています。

江戸時代の腹診図
中国ではお腹を触るのを好まず、東洋医学のお腹に関しては日本の方が成熟しているようです。
東洋医学のお腹の診断法に関しては、「腹診・腹証」があります。
お腹を強く押すチネイザンに対し、ソフトタッチであるタイマッサージのお腹マッサージは、「ソフト・チネイザン」と呼ばれています。
タイマッサージのお腹マッサージは、女性は膝を曲げて立てて施術します。
これは子宮をリラックスさせるためですが、タイマッサージは、お腹の筋肉をリラックスさせるためには、膝を立てた施術の方が適していますし、またこの姿勢の方が腰に負担がかかりません。
タイマッサージのお腹マッサージは、お腹のハリとコリ、ヒエを取り除き、お腹を突きたてのモチのように柔らかくすることにより、
①小腸を刺激して、免疫機能を高め、病気に負けない体にする
②大腸をマッサージして蠕動運動を促進し、ガスの排出や排便を促す
③動脈を加圧し、体全体の血行を改善する
④腰の悪い人は、お腹が固くなってることが多いので、お腹を柔軟にして腰痛の改善または予防するのが目的です。
お腹をやわらかくすると言うことは、お腹全体がバランスをとれていて、張っている部分や凝っている部分がなく、また部分的に冷たいところがないことです。
ここでも、例えば、何回押すのかとか、何回廻すのかとかの問題は、その症状により変わってくるということを良く理解してください。
タイマッサージでは、お腹のお臍の上あたりで、血止めをすることもあります。
この太い腹大動脈を加圧して放つことで、体全体の血行が改善されます。
チネイザンでもこのテクニックをとりいれてますが、リラクゼーションのタイマッサージでは、心臓に近く危険性があるので教えていません。 
   お腹の9ポイントは、おヘソに向かって押しだすように圧します。
効果は、胃腸を刺激し蠕動運動を促進して、お腹の中のガス溜まりを解消します。
ガスが溜まり易い場所は、胃や盲腸、右結腸曲や左結腸曲です。
また腹部大動脈や人腿動脈を刺激し、上下半身の血行を改善、骨盤内側の泌尿器や生殖器系の血管も刺激します。
腰痛の人はお腹が固い人が多いのですが、腰痛に関係するインナーマッスルである大腰筋の柔軟性も回復します。
大腰筋は脚と背骨を結ぶゴムのようなもので、強すぎても弱すぎても腰痛の原因になります。
スポーツ選手などは強すぎて腰痛になりやすいです。
 お腹の6ポイントは、おヘソから指2本の間隔に並んでいます。 
   9ポイントの2456は、胃腸内のガスをデトックス(悪い風の排出)します。
258はお腹、脚の血行改善。
19は骨盤、会陰部の血行改善
2378は大腰筋の柔軟性を回復し、腰痛の予防、改善効果があります。
背中のマッサージ
   背骨を支えている脊柱起立筋(せきちゅうきりつきん)は、重力に逆らって体を垂直に立てるために頑張っている筋肉です。
脊柱起立筋は自律神経のひとつで、日常生活でストレスを受けると、交感神経が興奮して脊柱起立筋が緊張します。
ストレスの多い現代人は、脊柱起立筋の緊張がロックされ慢性化した「びっくりニャンコモード」になっているわけです。
タイマッサージの背中の施術は、筋肉をリラックスさせることだけでなく、副交感神経を優位にさせて、そのロックした状態を解除し「ゴロゴロニャンコモード」に戻すことが目的です。
脊柱起立筋は、大まかに言えば腸肋筋(ちょうろくきん)・最長筋(さいちょうきん)・棘筋(きょくきん)の3つの筋肉群でできたかまぼこ状の筋肉のかたまりをイメージしてください。
 
エネジーポイント①は、かまぼこと背骨の間。
エネジーポイント②は、かまぼこのまん中。
エネジーポイント③は、かまぼこと肩甲骨の間。
それぞれのエネジーポイントは、骨盤の腸骨稜(ちょうこつりょう)のキワです。 
タイマッサージの背中マッサージは、①背骨を支えている脊柱起立筋(せきちゅうきりつきん)の緊張を和らげるために、3つのエネジーポイントと、2本のエネジーラインを施術して行きます。
また、それとセットで、②肩甲骨とその周辺の筋肉もマッサージします。
その場合は、肩甲骨を動かしている筋肉群と、肩関節を動かしている筋肉に分けて考えてみると施術が混沌としません。脊柱起立筋は、おおまかに言えば腸肋筋(ちょうろくきん)、最長筋(さいちょうきん)、棘筋(きょくきん)の3つの筋肉群でできています。
エネジーポイントは、①一番が、腰椎(ようつい)の5番の横、から、②二番、③三番と脊柱起立筋が腰椎や腸骨稜(ちょうこつりょう)に付着する部分の骨と筋肉のつきギワを押します。
エネジーポイントの①はエネジーライン①の始まりとなり、これは最長筋のふくらみと棘筋の間(背骨側のキワ)を頚椎(けいつい)の7番の手前まで押して行きます。
エネジーポイントの②は、最長筋と長肋筋(ちょうろくきん)のもりあがりの間です。
エネジーポイントの③は、ライン2の始まりです。 
長肋筋の肩甲骨側のキワを押して行きます
脊柱起立筋は自律神経の一つ、交感神経の影響を強く受けます。
日常生活で、ストレスを強く受けると、交感神経が興奮し、脊柱起立筋が緊張してしまいます。
また逆に、脊柱起立筋の持続的な緊張は、交感神経の興奮を招きます。
ですから、いつも背中の筋は柔らかく保っていることが大切です。
マッサージを行うときに、脊柱起立筋に対して過度に強く押すと、かえって筋肉の緊張をまねきき、交感神経を興奮させてしまいます。
タイマッサージで、この脊柱起立筋に肘や膝を使う理由は、強く押すと言うよりも、むしろこの筋肉が頑丈で分厚く指では緩みにくいという意味です。
    背骨を押すのは危険じゃないですか?」と言う質問があったので、腰椎の3番あたりで、人間を切断図を考えしてみました。
確かに、棘突起の先は皮膚の表面に近いのでとても危険です。
タイマッサージでは、「脊柱起立筋」の分厚いステーキのような筋肉の骨際(背中のライン①)を押します。
これを見ると、かえって親指の方が可哀相そうな気がしますね。
親指のコントロールがきかない人は、背骨の外側にはじく感じで押していくのが良いかもしれません。
肩甲骨のまわりにある筋肉は、肩甲骨を動かす筋肉群です。
僧帽筋(そうぼうきん)
菱形筋(りょうけいきん)
肩甲挙筋(けんこうきょきん)
前鋸筋(ぜんきょきん)
などで、肩コリの原因となる筋肉群です。

現代人のマッサージ箇所としては重要ポイントで欠かせないところです。

肩甲骨の上についてる筋肉は、肩甲骨そのものではなく、肩関節を動かす筋肉です。
回旋筋腱板(ローテーターカフ)と呼ばれる
棘上筋(きょくじょうきん)
棘下筋(きょくかきん)
小円筋(しょうえんきん)
肩甲下筋(けんこうかきん)
と、
大円筋(だいえんきん)
広背筋(こうはいきん)
三角筋(さんかくきん)
大胸筋(だいきょうきん)
上腕三頭筋(じょうわんさんとうきん)
などです。
肩関節は、四十肩、五十肩とか良く聞くように、年齢とともに故障しやすい部分です。
タイマッサージでは、わきの下は危険な部分として施術しません。
腋の下や膝の裏の外から守られるようにできている部分には、重要な血管や神経などが収められています。
ですから、腋(わき)の下を安易に押したりすると、後で痛みを起こしたりします。
肩こりを解消するマッサージは、肩甲挙筋とか僧帽筋に対して行いますが、、この反対側の拮抗筋である大胸筋や前鋸筋がゆるんでいないと効果がありません。
ですから、この脇(わき)の下の筋肉をゆるめることが肩こり解消には大切なことなのです。
腋(わき)の下は、三角筋や前鋸筋が前後で壁を作っていますので、そこを揉むことは有効です。
わきの下の奥ははリンパ球のあるリンパ節ですから、マッサージは軽擦にとどめます。
腎臓と遊離肋骨
左は、人間のろっ骨です。
昔は六骨とおもって、6本だと思ってました。
肋骨です。
肋骨は、外界からの衝撃から内臓を守る役目をしています。
上から骨を数えて行ってください。
まん中を立て走る骨(胸骨)につながっている骨は10本(10ペア20本)です。
胸骨(きょうこつ)につながらず、浮いている骨(遊離肋骨)が2本(2ペア4本)あります。
タイマッサージはこの遊離肋骨が重要です。
肋骨は折れやすい骨です。
肋骨にひびが入ったとか、折ったとかは良く聞きます。
肋骨の骨折自体は、痛み止めとシップだけで、自然治癒を待つのが一般的です。
問題なのは、肋骨が折れて、その骨が肺などの内臓を傷つけてしまうことです。
リラクゼーションのタイマッサージでは、それほど強くおさないし、あまり肋骨の骨はいじらないので問題はありません。
遊離肋骨は、肋骨の中で折れにくい骨です。
遊離していて柔軟性があるからです。
この遊離肋骨の柔軟性が問題で、うつ伏せで、背中側から押したときに、この部分に位置する腎臓を圧迫するのです。
腎臓は、ちょうど肋骨の下端の高さで、背骨を挟んで左右両側にあるソラマメのような形をした約12センチ×6センチ程度の臓器です。血液から老廃物を濾しとって尿を生成して排泄する役割をしています。
また、血圧のコントロールに関するホルモンや造血に関するホルモンを産生しています。
圧迫すると、危険というよりは、気持ち悪い感覚を起こします。 
施術のクロージングで、座位でここに振動をあたえるチョッピングやゲンコツヒットなども、この部分は避けます。
つまり、背中側から肋骨の上から11~12番の遊離肋骨の上を強く圧迫または振動を与えると、腎臓の内臓感覚が不快を感じます。
チェンマイクラッシクアートマッサージスクール(CCA)の教科書より
 背中マッサージは、背中を支えている脊柱起立筋肩甲骨を動かす僧帽筋などの筋肉、回旋筋腱板により安定した肩関節を動かす筋肉に整理してアプローチしましょう。
リンパ管は第2の静脈
血液循環のところで、動脈は栄養分を運ぶ上水道のような役割で、静脈は老廃物を運ぶ下水道のような存在であることを学びましたが、静脈の働きは、第2心臓である足やふくらはぎの活躍が必要でした。
リンパの働きは第2の静脈です。
リンパ管は静脈では運びきれない老廃物の1割を運びます。
リンパの役割は、この老廃物を運ぶ役割ともう一つあります。
1つは、細菌やウイルスと闘って、体を病気から守る役割です。
この戦いの戦場となるのは、「リンパ節」と言う場所です。
リンパマッサージの基本は軽擦です。
しかも、リンパ節の軽擦はとても気持イイです。
タイマッサージは、このリンパ節の部分は、危険なので圧をかけないという意味で基本的にはマッサージしません。
リンパ節は、ここを飛び越えてマッサージして行くわけですが、せっかくですから10秒でも良いですからソフトなフィンガーサークルを入れると良いのではないでしょうか。
「タイマッサージ」と「○○マッサージ」の融合みたいな試みがありますが、あまり成功していないようないように見えます。
理由は分かりません、パンとご飯みたいな、主食と主食がぶつかってしまうのでしょうか。
でも、こういう小技(副食)は、「自分流のタイマッサージ」にはどんどん取り入れて行くべきでしょう。
 特にリンパ関しては、美容・キレイの用語「たるみ」「むくみ」「小顔」「○○痩せ」みたいな言葉とともに使用すると、クライアントの心理に聞き捨てならない影響を与えます。
鎖骨リンパ節
先ずマッサージで開放しなけらばならない一番重要なリンパ節。
特に左鎖骨はリンパ液の最終終着駅で、最後に心臓に注ぎこまれる場所です。
玄関の前の大きなゴミ箱です。
疲労・老化
腋窩リンパ節
外部からのウィルス免疫機能が働き、腫れやすい場所。
手のむくみ・腕の疲れ・二の腕のたるみ
顎下リンパ節
二重顎・フェイスライン・小顔
腹部リンパ節
胃や十二指腸などの消化器官などからリンパを受け取り体外に排出する。
子宮・腸・便秘・生理不順

鼠径リンパ節
下半身のリンパ液が流れ込む主要駅。
下半身太り・冷え症・ヒ
ヒップのたるみ
膝窩リンパ節
むくみ・冷え症・静脈瘤

耳下腺リンパ節
ニキビ・美顔

頚部リンパ節
首・肩コリ・頭痛

腕と手のマッサージ

お客は大脳皮質(コーテックス)マンである
   右はカナダの脳神経外科医ペンフィールド氏が描いた脳の地図です。
体の各部位からの体性感覚が大脳皮質のどの部分に投射されているかを示したもです。
描かれている顔や体の絵は、各部位からの入力が、どれぐらいの領域に投射されているのか、その面積比を表しています
人間の体の形とは大きく異なり、唇や顔、手などから入力を受ける面積は大きく、脚や尻などから入力を受ける面積は小さくなっています。
こうした面積の大小がそれぞれの感覚の繊細さに対応しているのです。

そらをキャラクターにして描いてみると、左のようになります。
このキャラクターをCortex Man(大脳皮質マン)と呼びます。

サロンに来るお客様は、みんな大脳皮質マンです。
大脳皮質マンの特に感受性の強い部分は、ハンド>フェイス>口です。

大脳皮質マンを満足されるためには、ハンドやフェイスのマッサージは必須です。
またおいしいハーブティなんか出して、口を満足させることも忘れてはあんりません。
 
フェイス&ヘッドマッサージ
01 ソウボウ筋マッサージ 
 
02 頭マッサージ 
 
03 表情筋マッサージ 
 
04 フェイスクロージング 
 
フェイスマッサージのポイントは、
①ソウボウ筋(肩・首)
②頭
③表情筋
の3つです。
また、フェイスマッサージの目的は、
①顔の血行を良くする
②表情を柔らかくする
③精神的ストレスを緩和する
の3つです。
僧帽(ソウボウ)筋は、『肩こりの筋肉』として有名です。
ソウボウ筋は、頭と肩甲骨を支えています。
成人男子の頭や腕はそれぞれ約4kgあります。
つまりソウボウ筋は2リットルのペットボトルを2本分の頭を支え、さらに左右に各2リットルのペッ
トボトルを2本ずつの腕を吊り下げているのです。
ソウボウ筋は心臓からの顔や頭に血流を送る通り道です。
ソウボウ筋のコリは、顔や頭への血行不良につながります。
また、頭はヒフ一枚で、顔とつながっています。つまり頭と顔は一体なのです。頭をほぐすことは、顔をほぐすことにつながります。頭には血流を良くするツボがいっぱいあります。
ソウボウ(僧帽)筋と言う筋肉の呼び名は、この筋肉の形がイタリアのカプチン修道会の修道士のかぶる長頭巾(カプチョ)に形が似ていることによります。また頭巾の色が茶色のことからカプチーノの由来にもなっています。
この背中に垂れたソウボウ筋の形をしたフードは、頭にスッポリと被るとまさにソウボウ筋の実態を表すことができます。
実はソウボウ筋は、筋膜というネットで、表情筋をつつんで、ひっぱり上げています。ですからソウボウ筋のマッサージもも表情筋活性化のために有効なのです。
筋肉は使わないと衰えます。
それは表情筋も同じです。
表情筋が衰えると支えきれなくなった皮フはニュートンの法則によってタレてきて顔のタルミや折りジワをつくります。
 表情筋が衰えてイシュクすると、血行不良になり、顔にクスミやシミをつくります。
精神的なストレスは、頭や顔のコリになって、頭痛や渋い表情になって表れます。
頭のツボを圧したり、頭皮を摩擦することは精神的ストレスの物理的な緩和にもなります。
髪の毛は体の中の毒素を髪の毛に集めて抜け落ちるという排泄作用 (デトックス作用)がありますが、明るい表情をつくるためには、精神的な悪いものもデトックスする必要があります。
 
表情筋の筋肉の分布を知ることは、繊細な顔のマッサージ方向を知ることに役立ちます。
 スマホ症候群
 現在ではタイの首長族でさえスマホを持っていて、スマホの急激な普及で、ほとんどの人が四六時中うつむいて生活。
弓なりの首の骨のカーブがストレートになるストレートネックが問題視されうようになってきました。
 
しかめっ面、ほうれい線、 二重アゴ、 目元のくすみやくま、首のシワなどのスマホ症候群(スマホブス症状)が問題になりはじめ、ますますネックやフェイスマッサージが重要になってきています。